前回の説明の続きです。
A2Aの薬の内容の復習(1.A2Aの開発品としての説明 その1)、
A2Aの薬の内容の復習(1.毒性リスクの低減 その2)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その1)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その2)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その3 + 3.前臨床結果(ADHD))、
A2Aの薬の内容の復習(4.競合薬(ADHD)について)、
A2Aの薬の内容の復習(5.がん免疫療法について その1)、
A2Aの薬の内容の復習(5.がん免疫療法について その2)、
A2Aの薬の内容の復習(6.A2A受容体拮抗薬への期待)、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その1)、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その2)、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その3、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その4)
今回はちょっと思ったメモを。
基本はR&D Day 資料(そーせいHP)を中心に話を進めています。
過去のA2A関係の記事はこちら。
そーせい 予定・予想スケジュール(まとめ 呼吸器、ノル・ロラ、Mシリーズ、A2A)、
そーせい 予定・予想スケジュール(草案4 A2A)、
A2Aの臨床開始IRを受けて
注意
もしもおかしな点があれば、ご連絡をお願いします。
(たぶん空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂ける方が確実に反応できます。)
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8.A2A受容体拮抗薬の開発について雑感
これまで長々と素人的な解説をしてきましたが、
全てはそこから見える将来について
適当に推量をしたいからです。
もちろん、プロでも難しいことを素人が些細な情報でできないわけですが、
それを諦めたら何のエッジもないので
何となく考えていることをメモします。
8-1.開発成功の可能性について
これがわかれば苦労しませんね。
わからないなりに分解して考えを整理するべきですので、
関係がありそうな項目を羅列してみます。
8-1-1.先行薬がない
これまでの資料にあったように、
上市されているがん適用のA2A拮抗薬は現在ないとのこと。
(ヘプタレス社のoverviewを見ると一番いいですよ。)
つまり、これはあくまで動物実験や基礎研究、臨床初期で
一定以上の効果が確認されているに過ぎないということです。
想定ほどの効能を発揮しない、
思わぬ副作用がでる等の問題は大いに考えられます。
そういう点では先行薬がないことは本当に辛いです。
先日アラガン社へ導出したMシリーズとは全くわけが違うわけです。
こうなると、成功率は期待しない方がいいかと思います。
ガン適用A2A拮抗薬の開発品が他社で結構進んでいる等の情報があれば別ですが。
それらは調べる価値がありそうですね。
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8-1-2.がん系の成功率は低い
そもそも癌系の製薬開発は難しく、
第Ⅰ相から上市の確率が24%程度との情報もあります。
創薬・開発の話題13:創薬テーマと開発の成功率・開発期間(有限会社 レギュトリーサイエンス研究所)
ここに平均開発期間もあって、
Anticancerは108か月(9年)とありますね。
これらは先行薬があるものを含めてですから、
先行薬がないような新規メカニズム系の治療薬なら
これよりも確率が低いと見たほうがいいでしょうね。
8-1-3.副作用は抑え目
このA2A拮抗薬はADHDで開発を開始したものです。
そのため、最初から生死を想定して作られたものではありません。
そういう点では「死ぬかも知れない人」に対する取れるリスクと
「QOLを向上させたい人」に対する取れるリスクは違います。
癌系の薬は基本的に前者、
ADHDの薬は後者ですから、
比較的癌系としてはマイルドな副作用を想定できるのでは?と期待はできますね。
(A2Aの薬の内容の復習(4.競合薬(ADHD)について)で軽くベンチマークしました。)
その点では成功率を幾分か底上げしているかもしれません。
24%以上を期待してもいいかな?
8-1-4.結局どのぐらいの確率か
じゃあ、何%か?といういとわかりません。
ぐだぐだ書いて結論なしかよ!というのは尤もな意見です。
ごめんなさい。
まあ、そういうのはもっと詳しい人にあたってください。
ツテがないなら自分で頑張ってみてください。
ただ、確率はあくまで確率であって
それは気にしすぎても気にしなさすぎてもいけないレベルの
代物という意識は持っていたほうがいいかもしれません。
昔の司法試験の合格率が3%だとして、
超絶優秀できっちりと勉強した人は合格率ほぼ100%でしょうし、
反対に90%以上が合格する
原付バイクの試験に落ちるような不勉強な人間もいるわけで。
確率ってそういうものです。
なので、癌系が24%と書いた数字に惑わされないように
でも過剰に期待しないようにしたいものです。
2016年7月20日 記述
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