前回の説明の続きです。
A2Aの薬の内容の復習(1.A2Aの開発品としての説明 その1)
今回は開発品のメリットについて。
とりあえずは去年のR&D Day 資料(そーせいHP)が一番詳しく書いてありますので、
こちらを中心に確認したいと思います。
過去のA2A関係の記事はこちら。
そーせい 予定・予想スケジュール(まとめ 呼吸器、ノル・ロラ、Mシリーズ、A2A)、
そーせい 予定・予想スケジュール(草案4 A2A)、
A2Aの臨床開始IRを受けて
注意
もしもおかしな点があれば、ご連絡をお願いします。
(たぶん空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂ける方が確実に反応できます。)
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2.開発品のメリット
再度p.38の説明をご参照ください。
開発候補品のメリットとして、
以下の4点を挙げていますのでそこをちょっと掘ってみましょう。
2-1.経口投与での生物学的利用能および薬物動態を改善
2-2.衝動性と注意欠如のADHD動物モデルでの高い有効性
2-3.臨床試験における安全性リスクが少ない
2-4.薬物乱用の懸念がない
2-1.経口投与での生物学的利用能および薬物動態を改善
2-1-1.経口投与について
治療のざっくりとしたコストとしては、
外科手術 >>> 薬物(注射・点滴) >> 薬物(経口薬)
人件費や設備費等を考えれば当たり前の順序。
自分で注射できたとしてもどこでもできるというわけじゃないでしょうし、
病院でとなればなおのことですよね。
注射と経口の間に鼻の粘膜等の経鼻薬などもありますが、
王道は経口投与で可能なら選択したいものです。
ただし、消化器系等を遠回りしますので、
経路上で酵素などと衝突しますし、その他臓器と近づきますので、
ターゲットに集中的にたどり着けるようにするには難易度が非常に高いです。
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2-1-2.生物学的利用能について
本当に聞きなれない言葉で困る(笑)
こういう文字ってなまじ読めてしまうので、
なんとなくわかったつもりになっちゃいますよね。
とりあえず調べてみました。以下は引用
生物学的利用能(せいぶつがくてきりようのう、英: bioavailability)またはバイオアベイラビリティとは、薬剤学において、服用した薬物が全身循環に到達する割合をあらわす定数である。定義上、薬物が静脈内に投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%となる。一方、薬物がそれ以外の経路(例えば経口摂取など)により投与される場合は、全身循環に到達するまでに不十分な吸収と初回通過効果を受けるため、そのバイオアベイラビリティは減少する事になる。静脈内投与以外の経路で投与する際、投薬量の計算にバイオアベイラビリティを考慮する必要がある事から、バイオアベイラビリティは薬物動態学において必須のツールである。
難しく書いてありますが、
静脈注射だと100%薬が血に入るわけですが、
経口薬等では消化したり他に取り込まれたりで、
血にまできちんと吸収できないものがどうしても発生してしまうよ。
そして、その割合はどんなものかな?という意味合いのようですね。
イメージはわかりますよね。
ウンチだって100%栄養がないわけじゃないことを考えれば、
口で入れたもので100%吸収できはしないというのも納得ですし。
プラスαで血にまでたどり着くのに寄り道するものも大なり小なり発生するでしょうね、
というのも理解できるので、
そこを意識する必要があることも納得です。
2-1-3.薬物動態について
これも特に動態がわからないので調べました。
薬物動態とは、ADME、すなわち、生体内における薬物の吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)という、薬物の生体内における一連の移行と変化の過程をいいます。
生体に投与された薬物が、吸収されて体を巡る血液中に入り、生体内に分布し、作用部位に到達して薬効を発現します。そして、肝臓などで分解(代謝)され、または、尿中に排泄されて、生体内から消失する過程のことです。
例えば、飲み薬で考えた場合、口から入って、胃や小腸で吸収され、血液と一緒に運ばれて、体の中に分布することで、薬としての効果を発揮します。その後、肝臓などで代謝を受け、腎臓から尿中に排泄されて、体の中から消えます。これらの一連の過程が薬物動態であり、薬の物理化学的な性質のほか、年齢、さらには他の薬による吸収や代謝への影響(薬物相互作用)でも、大きく変動します。
引用 薬物動態 (Pharmacokinetics) (株式会社ファルマデザイン)
すごくわかりやすいですね。
大事なのは、身体の中に取り込み易いか?(吸収)、
身体に行き渡るか?(分布)、
ちゃんと分解・変換されるか?(代謝)
そして、それが出やすいか?(排出)
基本的には蓄積されて毒になっちゃわないような指標ということでしょうかね?
上記の内容をまとめると、
経口薬で薬としてのポテンシャルを改善しましたよとなるわけですね。
その改善の比較対象は現行薬ということでしょう。
2016年7月13日 記述
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