肝臓についての調査の続きです。
今回は肝機能を調べる際の血液検査を中心に。
その1になります。
肝臓は切り開けばわかりますが、
最初から切り開くわけにはいきません。
なので、先ずは血液検査をみてみる。
また、治療中もその数字を追いかけることで
肝臓が良好に活動しているかを確認するわけですね。
今回は肝臓障害の指標を中心に。
参考・引用先は主にこちらです。
Q. 肝機能検査値の異常とは、具体的に何を指しますか?(C型肝炎)
その他資料(図解でわかる肝臓病等)をみながら説明します。
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6.肝機能を調べる血液検査
色々と数値指標はあるわけですが、
今回挙げるのは12種類の特数値ですが、
特に肝機能に直接的に影響するものです。
6-1.AST (GOT)
6-2.ALT(GPT)
6-3.γ-GTP
6-4.ALP
6-5.総ビリルビン
6-6.LD(LDH)
6-1.AST (GOT)
基準値:30 IU/L以下。
これは肝臓にいる酵素ですので、
肝臓が破壊されると血液に流れ出してしまって
数値が上昇することになるわけです。
ただ、正常な状態から壊れているから酵素が出るわけで、
一定以上破壊されてしまっている状態では
酵素は新しくでなくなります。
注意点1
肝硬変以上のステージになると
正常な幹細胞は少ないので、
肝炎時よりもASTは上昇するというよりも下がっていくわけですね。
注意点2
また、これは肝臓以外(心筋や骨格筋、赤血球など)に広く分布しているため、
この数字だけが上がったとしても
肝炎の確率が必ずしも高いわけではありません。
6-2.ALT(GPT)
基準値:30 IU/L以下。
体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で
重要な働きをする酵素です。
こちらは主に肝臓にいるので、
肝臓が破壊されたかどうかの指標になります。
ASTとALTの違いは? AST/ALT比について教えてください。
こちらのリンク先にあるように
この比率を確認することで慢性肝炎と肝硬変の鑑別、
アルコール性肝炎の診断など肝障害を評価する際に有用になります。
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6-3.γ-GTP
基準値:50 IU/L以下。
胆管で作られる肝臓の解毒作用に関わる酵素で、
通常肝細胞や胆管細胞、胆汁に存在して
たんぱく質を分解・合成する働きをします。
肝硬変やアルコール性肝炎、薬剤性肝障害、慢性肝炎などで
数値が上がる傾向があります。
お酒の飲み過ぎ、肥満、胆汁うっ滞、胆管細胞の破壊が
要因になって上昇することがあります。
6-4.ALP
基準値:100~325 IU/L。
肝臓や腎臓などで作られる酵素で、細胞膜上に存在します。
胆管が閉鎖している場合(腫瘍や結石などが原因で)、
細胞膜が破壊された場合に上昇します。
子供は比較的数値が高い傾向があります。
6-5.総ビリルビン
基準値:0.2~1.2 mg/dL。
古くなった赤血球のヘモグロビンから作られる
黄色い色をした物質。
通常は胆管⇒十二指腸⇒小腸⇒大腸⇒便で排出されます。
これが順調に排出されないと体内に溜まって
黄疸になるわけです。
皮膚や白目が黄色っぽくなります。
肝臓で処理される前のビリルビンを「非抱合型(間接)ビリルビン」、
処理された後のビリルビンを「抱合型(直接)ビリルビン」といい、
合わせて総ビリルビンと呼びます。
通常、総ビリルビンは血液中にごくわずかしか存在していません。
数値の幅も小さいですよね。
6-6.LD(LDH)
基準値:120~240 IU/L
肝臓や心臓、腎臓、赤血球などのからだのさまざまな場所でつくられる酵素で、
肝臓では通常肝細胞に多く存在し、糖質をエネルギーに変える働きをしています。
(よくわかる!肝機能ナビより)
数値の上昇で肝臓が障害を発生している可能性が高まります。
転移性や原発性の肝がんなどで上昇することがあります。
2018年 4月 9日 記述
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