肝臓についての調査の続きです。
今回は肝細胞がんになった際の
腫瘍マーカーについて整理します。
腫瘍マーカーというのは悪性腫瘍(がん)が
独自にタンパク質や酵素、ホルモン等を放出するため
それらを検知することで、
腫瘍の発生部位等の情報を推測できるわけです。
参考・引用先は主にこちらです。
Q. 肝機能検査値の異常とは、具体的に何を指しますか?(C型肝炎)
その他資料(図解でわかる肝臓病等)をみながら説明します。
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7.肝細胞がんの腫瘍マーカー
腫瘍マーカーの種類は多く、
少なくとも40以上はあります。
早期発見・早期治療・低コスト検査につながりますので、
この分野も日進月歩です。
ただし、ある程度腫瘍が大きくならないと
検出できる可能性が低いので画像検査も同時に行うことは重要です。
肝細胞がんに関しては主に3つ。
7-1.AFP
7-2.AFP-L3分画
7-3.PIVKA-Ⅱ
7-1.AFP(アルファフォトプロテイン)
未熟な肝細胞をつくる特殊なたんぱくしつで、
胎児期には作られますが成人ではほとんど作られません。
これは肝細胞がんだけではないのですが、
急上昇では高い確率で肝細胞(もしくは肝がん)が
合併していることがわかっています。
慢性肝炎や肝硬変でも肝細胞の壊死や再生が繰り返されるので、
未熟な肝細胞が多くなりAFPが上昇する場合があります。
7-2.AFP-L3分画
AFPと同じたんぱく質の一種で、
陽性の場合には90%以上の確率で肝がんであることがわかります。
7-3.PIVKA-Ⅱ
ビタミンK欠乏に関係する数値です。
(血液をサラサラにする薬はビタミンK阻害剤のため、
この数値が上昇することは注意です。)
こちらは感度がやや低いため、
早期の肝がんの発見には不向きになっています。
しかし、おおきいがんに対して有効で、
これが陽性の場合には
肝がんである確率が高くなります。
7-4.おまけ(繊維化検査用試薬)
肝細胞がんではなく、
肝硬変(肝臓の繊維化)に対する血液検査ができます。
肝臓の線維化検査用試薬(HISCL M2BPGi試薬)が保険適用(シスメックス)
これは凄いなと調べていて思います。
調べるまでスゴさがよくわからなかったですが。
これで患者や医師も相当負担が減るし、
迅速に対応できますよね。
どれぐらい普及が進んでいるかはわかりませんが、
これがきっかけで少しでも早期発見、
早期治療が進めばいいですね。
2018年 4月 11日 記述
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