前回の説明の続きです。
A2Aの薬の内容の復習(1.A2Aの開発品としての説明 その1)、
A2Aの薬の内容の復習(1.毒性リスクの低減 その2)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その1)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その2)、
A2Aの薬の内容の復習(2.開発品のメリット その3 + 3.前臨床結果(ADHD))、
A2Aの薬の内容の復習(4.競合薬(ADHD)について)、
A2Aの薬の内容の復習(5.がん免疫療法について その1)、
A2Aの薬の内容の復習(5.がん免疫療法について その2)、
A2Aの薬の内容の復習(6.A2A受容体拮抗薬への期待)、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その1)、
A2Aの薬の内容の復習(7.A2A受容体拮抗薬による効能(研究) その2)
今回もがん免疫療法について説明を。
とりあえずは去年のR&D Day 資料(そーせいHP)が一番詳しく書いてありますので、
こちらを中心に確認したいと思います。
過去のA2A関係の記事はこちら。
そーせい 予定・予想スケジュール(まとめ 呼吸器、ノル・ロラ、Mシリーズ、A2A)、
そーせい 予定・予想スケジュール(草案4 A2A)、
A2Aの臨床開始IRを受けて
注意
もしもおかしな点があれば、ご連絡をお願いします。
(たぶん空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂ける方が確実に反応できます。)
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7.A2A受容体拮抗薬の効能(研究)
p.40の右下のグラフを参照下さい。
再度グラフの水準を載せておきます。
4つの線の説明から。
A.Control ⇒ 何もしていない
B.mAb CTLA4 ⇒ CTLA4を標的にしたモノクロナール抗体(mAb)を投与(?)
C.A2A ant ⇒ A2A受容体の拮抗薬(ant)を投与(?)
D.A2A ant + mAb CTLA4 ⇒ 上記2薬(?)の併用
7-2.図(研究結果)を見ての考察
7-2-4.併用系の意味
この研究の目的は単純にA2A拮抗薬が
どれだけ効くかをみたいわけじゃないと思っています。
それだけなら単剤で十分だからです。
そうではなかったのは、
今回の併用系は単純効果を「1+1=2」ということじゃなく、
「1+1≧2」というような意図があったと思います。
実際に効能としては、
先に述べたようにCTLA4単独で1割、A2A単独で3割で
1.1×1.3 ≒ 1.43の効能になりますが、
結果的に併用系はそれ以上の効能(5割以上)がありそうでしたね。
これは上記2種の効能メカニズムが背景にあるからです。
ここを説明するためにこれまで長ったらしく背景を解読してみたわけです(笑)
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図解でそーせい社が示したように
がん細胞はA2AやCTLA4のブレーキを利用して
T細胞等の免疫活動を止めるわけです。
その中でも、先にA2Aが影響していますので、
その結果で免疫活動全体がブレーキをかけさせられている。
CTLA4モノクロール抗体が関係する免疫群も含めてです。
つまり、A2Aのせいで折角のCTLA4モノクロール抗体の効能が
十分に発揮できていないということが予想されるわけです。
そこで、A2Aによる影響を弱めれば、
CTLA4モノクロール抗体が十分に発揮できる環境作りをし、
A2A自体でも免疫活動全体を活性化する。
これらが相乗効果となって、
単純に独立で足し算になる効果以上のものを期待し、
その予想の結果が一定程度出たということですね。
ここが肝です。
単にA2Aの効果って凄いでしょ、という大雑把な実験じゃない。
メカニズムの裏付け検証?(メカニズムの推測結果?)なわけですね。
2016年7月18日 記述
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