そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年4月導出後版

前回の記事はM1の進捗IRで修正したのですが、
今回のIRで導出がきまりましたので前回の妄想を反省しつつ記事にしました。

既にそーせいのIRを読んだり、
その中身を議論・意見交換したりされていると思いますので、
今更な内容かもしれませんが、ご興味があればお読みください。

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本記事は前に書いたそーせい 予定・予想スケジュール(草案3 M1・M4関係)
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル)
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年2月末変更版
基本にして修正・加筆してます。

また、基本的にはR&D Day 資料子会社Heptares社、ファーストインクラスの選択的ムスカリンM1受容体作動薬HTL9936が後期第I相臨床試験を良好な結果で終了(そーせいHP)
子会社 Heptares 社と Allergan 社、アルツハイマー病等の中枢神経系疾患に対する 新規治療薬の開発・販売提携を発表(そーせいHP)
業績予想の修正に関するお知らせ(そーせいHP)を参照しながらご覧ください。

<注意>
もしもおかしな点があれば、ご連絡をお願いします。
(たぶん空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂ける方が確実に反応できます。)

1.選択的ムスカリン受容体作動薬(M1、M4)の市場規模

ここは前回の記事の認識から変化していませんので、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年2月末変更版
「1.選択的ムスカリン受容体作動薬(M1、M4)の市場規模」をご参照ください。

2.M1の開発状況について

M1は現在のところ判明しているのは2剤あります。
HTL9936とHTL18318です。

2-1.HTL9936について

GPCR構造ベースドラッグデザインできるStaR®技術からの産物ではありません。
どうやって開発されたかの公式なアナウンスはないです。
(StaR®技術の最初の自社開発はA2Aであり、
HTL9936はそれよりも早く開発されていたため。)

我々が知るヘプタレス社の自社開発のフラグシップ薬であり、
非常に効能(効果及び副作用の制御)が期待される薬です。

以前にR&Dで語られていたもの(たぶんHTL9936)は
アリセプトの改良品的な立ち位置の様子でしたので
基本的にはAD(アルツハイマー病)がターゲットです。
(R&D資料を参照)

これが意味することは、
かなり保守的な製薬開発を行っているということです。

つまり、先行品(アリセプト等)の効能部分を保持しながら、
副作用部分を引き算するような設計がされたものだと考えられます。

人体は非常に複雑なので、どんな副作用が出るかわかりません。
そのため、極力実績薬に似せた方がリスクは低減します。
(ジェネリック薬はそれで治験工数の削減を許可されていますし。)

新薬で有りながら、実績品から大幅に離れないような開発は
どこのメーカーもやりたいことでしょう。
(分かっていても、そんなことは簡単じゃないからできなわけですが。。。)

これは薬効を得られるためのターゲット(GPCR)を精密に解析できる技術を
保有するからこそできるわけですね。

話を治験結果に変えます。
すでに臨床の第Ⅰ相aもbも良好な結果だと発表されております。
(2015 年6月17日、2016年2月10日 )
前期第Ⅰ相(第Ⅰ相a)はこちら
子会社 Heptares 社の選択的ムスカリン M1受容体作動薬(HTL9936)が 前期第Ⅰ相臨床試験を良好な結果で終了  (そーせいHP)

その後の後期第Ⅰ相(第Ⅰ相b)の結果が発表されました。
子会社Heptares社、ファーストインクラスの選択的ムスカリンM1受容体作動薬HTL9936が後期第I相臨床試験を良好な結果で終了(そーせいHP)

これらの結果は非常に良好な上、
開発スケジュールの進捗状況もR&D資料で書かれていた通りに進んでいる様子です。

M1作動薬
– アルツハイマ 病、統合失調症における認知機能障害 ー病、統合失調症における認知機能障害
M1 受容体- 認知機能
• M1受容体への高い選択性、優れた薬理学的プロフィールを確認
• Phase Ia試験を既に終了
• 高齢者を対象としたPoC試験結果 2015/16年
アルツハイマー病を対象としたPoC試験結果 2016/17年(予定)

引用 R&D Day p25 (そーせいHP))

2-2.HTL18318について

こちらはホルダーからすると、サブマリン的に出現した開発品です。

詳しい説明は公式に出ていませんが、
そーせい最古株のhatiさんのブログに
両社は独立したプロジェクトであると書かれています。
バイオの怪物そーせい・ヘプ(バイオベンチャー投資)

あくまでも推測ですが、
ヘプタレス社のStaR®技術が確立する前にHTL9936は進められていましたが、
技術確立後に再検証をしたところHTL9936とは違うターゲット部位が見つかったのでしょう。

これで打ち止めかは謎ですが、
その辺りは会社からの公開情報を待つことになります。

ただし、後でも述べますが今回Mシリーズをセットで導出したため、
提携先との関係で基本的には情報公開は限定的だと思った方がいいでしょう。

このHTL18318の情報はホルダー達に大きな衝撃を与えました。
理由は以下の通りです。

1.開発が難しいアルツハイマー薬で臨床入りできる薬が新しく出てきた。
(導出の持ち数が増える)
2.そーせいはパイプラインの公開情報を部分的にしか出していない。
(普通のバイオはほぼ全部開示)
3.M1だけでデュアル薬、M1/M4デュアルも複数の複合薬を
今後開発できる可能性を示唆した。
(大型薬の開発できる可能性がさらに広がった。)

つまり、単にパイプラインが一本増えただけと考えるのは非常に安易で、
社長が過去のインタビューで答えた「ジャックポット」という表現通り
ザクザクとヘプタレス社内に財宝が眠っているよと想像できることになるわけです。

そういえば、前にファイザー社と10本の開発検討に入ったIRがありましたよね。
子会社 Heptares 社と Pfizer 社の新規医薬品に係る戦略的提携並びに ファイザー製薬株式会社に対する第三者割当による新株式発行に関するお知らせ(そーせいHP)

GPCRは数百種類あるといわれていますので、
現在出ている提携や導出などの数を考えても
ヘプタレス社がまだまだ解析済みのGPCRを保有していてもおかしくありません。

このHTL18318が「まだまだ解析情報あるし、開発薬あるよ。」と
その片鱗を見せてくれたことが可能性をどれだけ広げたかをきちんと把握するべきだと思います。

3.M4の開発状況について

ここは前回の記事の認識から変化していませんので、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年2月末変更版
「3.M4の開発状況について」をご参照ください。

4.M1/M4デュアル作動薬のスケジュールについて

ここは前回の記事の認識から変化していませんので、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年2月末変更版
「4.M1/M4デュアル作動薬のスケジュールについて」をご参照ください。

5.M1シリーズの導出とその内容

前回までの記事では、
導出の時期とその内容がどういうものかを予想していました。
それが一番の株価への材料でしたので。

今回はそれが達成されましたので、前の予想との採点と感想を。

5-1.導出の契約内容について

子会社 Heptares 社と Allergan 社、アルツハイマー病等の中枢神経系疾患に対する 新規治療薬の開発・販売提携を発表(そーせいHP)を参照ください。

<内容> (*$1=¥109.73 換算)

1.Mシリーズを全てAllergan社へ導出
⇒ M1の2剤もM4もM1/M4デュアルも(少なくとも合計4剤以上)

2.MシリーズはAllergan社の中枢神経系領域のリーディングパイプラインに
⇒ 最優先開発品の扱いに。(Allergan社の会社都合で開発が遅れない)

3.一時金はセットで125 百万米ドル(約 137 億円*)
⇒ 金額の多寡については後で。

4.開発マイルストンは最大約 665 百万米ドル(約 730 億円*)
(最初の 3 つの化合物の開発の進捗や上市に応じて)
⇒M1(HTL9936)はP2入りから、M1(HTL18318)はP1入りから、
M4やM1/M4デュアルは前臨床終了から収入が入る可能性があるかと思います。

5.販売マイルストンは最大約 2,500 百万米ドル(約 2,743 億円*)
(販売目標の達成に応じて)
⇒これだけの販売マイルを全て拾うにはいくら売上ればいいのか??
というよりも、これだけのマイルを契約するということは
相当な売り上げを期待していると考えられます。

6.ロイヤリティは売上高に応じて全て最大2桁の段階的なロイヤリティ
⇒(ほとんどが臨床入り前の)早期導入であるため、
基本的に1桁ロイヤリティ(8%程度?)が通常でありますが、
売り上げによっては二桁というのは交渉条件的にはかなり有利に進められたと考えられます。

7.研究開発支援金は50 百万米ドル(約 55 億円*)(第Ⅱ相臨床試験まで)
 + Allergan 社は化合物群の後期第Ⅱ相臨床試験開始とそれに続く製品の製造販売の責任を負う
⇒ヘプタレス社の今後の実質的な開発費用負担は、かなり少額と推定されます。
(開発品が今後増えるかどうかにもよりますが。増えても将来の収益も増えるので良いです。)
後期第Ⅱ相はヘプタレス社じゃなく、Allegarn社負担ということですね。
その後の一番お金がかかる第Ⅲ相はどうなるんでしょうかね?

という内容です。

このIRが出た後に思ったことを書いた記事はこちら。
Alleganとの開発・販売提携 そーせい
下方修正IR そーせい

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5-2.導出タイミングについて

M1とM4、M1/M4デュアル共に2016年(今年)が濃厚じゃないか、
Mシリーズをセットで出すのではないか?と私は適当に予想していました。

理由は、それがそーせいにも導出先にも合理的だからです。

ただ、そうは思っていても相手がある話なので
そんなにうまく進むとは限りませんから確たる自信はありませんでした。

それをやってのけたのは本当にもの凄いことだと思います。
しかも、M4の前臨床も終わらないうちにです
どれだけ説得力のある検証結果を出したかが窺い知れますね。

今に思えば、M1のfMRI等がの治験結果が相当効いたのでしょう。
戦略も含めてヘプタレス社の進め方には凄い以上のことは言えません。

5-3.導出の契約金額について

前にそーせいの売上予測から推測していた金額(一時金)は34億円でした。
ドル換算でおよそ30百万ドルですかね。

しかし、今回の導出金額(一時金)は125百万ドル。
確実に四つ以上を導出するわけですから、
30百万ドル × 4 = 120百万ドルにセットプレミア(5百万ドル)という計算でもざっくり成立します。

でも、4つの進捗は違いますから、
30百万ドル(HTL9936) + 15百万ドル(HTL18318)
+ 15百万ドル(M4) + 40百万ドル(M1/M4デュアル) + 25百万ドル(セットプレミア) = 125百万ドル
こんな感じの計算じゃないかと妄想しています。(根拠は薄いので流してください。)

話を戻しまして、これらの収入が前の会社計画よりも高いかどうかは
前の業績予想を確認する必要がありますね。

2016年3月期と2017年3月期との売上合計は、
約230億円(117億円(2016年3月度)+112億円(2017年3月度))で計画されていました。
(R&D資料 p.61)

それに対して、先日出された業績予想の修正に関するお知らせ(そーせいHP)を参考にすると、
82億円(2016年3月度)に下方修正されております。

楽天証券がまとめたレポートに今期の業績予想が入っていましたので引用を。
特集:薬品・バイオ株フォローアップ(そーせいグループ、小野薬品工業)  2016年4月7日

2017年3月期は大幅増収増益へ

2017年3月期は今回の契約一時金137億円が計上される見通しです。また、フェーズⅠが終わったところのムスカリン受容体M1作動薬は、当初の見通しでは今年末にもフェーズⅡに進む見通しでした。フェーズⅡ前期、後期で開発マイルストンを各々20億円(計40億円)と仮定し、研究開発支援金の今期分を20億円、COPD治療薬シーブリ、ウルティブロの売上高を40億円、2015年8月にアストラゼネカに導出したアデノシンA2A受容体拮抗薬のフェーズⅠ入りが予想されるため、これに伴う開発マイルストンを20億円と仮定すると、137+20+20+40+20=237億円が2017年3月期の売上収益と予想されます(今回の導出以外の導出はないと仮定)。

という予想がありますので、
82億円(2016年3月期) + 237億円(2017年3月期) = 317億円という結果になります。

 

COPD薬が40億円というのは、およそ800百万ドル程度の売上を予想しているわけですね。
この予想は個人的にはちょっと高めの予想かなと思いました。
米国は市場は大きいですが、初動ですので。
個人的には収益を保守的に30億円程度で見るべきかと。

一方で、CGRPの前臨床終了+第Ⅰ相開始も予定されているのですが、
それは楽天さんの予想には入っていません。

一応予定から遅れているなどの情報もないので計算に入れて考えますと、
A2Aと同じぐらいの金額で20億円ほどかなと思います。

それで結局は、317億円 – 10億円(COPD薬を保守的に修正) + 20億円(CGRP薬) = 327億円

この結果、去年度からの2年スパンで考えると、
327億円(今予想される収益) – 230億円(去年度の期初計画) = 107億円プラス

相当な上方修正になってしまってますね。
ストックオプションの条件は楽勝ペースで。

加えてファイザー社との提携などもありえますので、
これでも保守的な予想になっています。

更におまけです。
2018年3月度は99億円で予想されておりましたが、
これを含めても今年度で達成しちゃう勢いになっていますね。
恐ろしいペースです。

ただ、前々からそーせいを見ている人にとってこれは意外なことではなく、
近年の会社の保守的な予想を見てきた人間からすると驚くほどの差じゃないんですよね。

それはホルダーにとっての常識であっても
一般投資家の常識ではないので、
これから国内外の投資家の目に留まることは間違いないでしょうね。

ロイター社からも凄い業績予想の記事が出たそうですが、
これからも注目度は更に上がっていくものと思います。

しかし、田村社長も漢ですね。
自分の社長最後を大幅赤字にして、
次の社長の門出を大幅売上アップ+大黒字で祝う。

こういうところが私が社長を好きなポイントの一つなんですけどね。
次の決算か総会には修正版の中期計画が出てくると思いますが、
更なるサプライズを期待してしまう私は強欲な株主だなと思ったりします。

他にも色々と考えていることはあったのですが、
ちょっと書くのに疲れたので、そのうち加筆修正などをしたいと思います。

2016年 4月 10日 記述

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