ファイザー社との戦略的提携&第三者割当

世界最大の製薬企業であるPfizer社とのIRが出たのは
今週の2015年11月30日(月)でしたね。
子会社 Heptares 社と Pfizer 社の新規医薬品に係る戦略的提携並びに ファイザー製薬株式会社に対する第三者割当による新株式発行に関するお知らせ (そーせいHP)

あまりにも大きなIRでしたので、ちょっと飲み込むのに時間がかかりました。
IRが出た当初に書いたブログはこちらです。
pfizer社との提携と第三者割当 そーせい

本来は翌日に出るであろうIRを(心だけですが)準備のために頭がいっぱいでしたし、
あまりにも大きなIRでしたので、
ちょっと飲み込むのに時間がかかりました。

ちょっと私も冷静になったので、IR資料の構成順に思うことを書き並べたいと思います。
上のIR資料を見ながらお読みください。
(こちらの項目とIRの項目は若干違う部分もありますのでご容赦を。)

<注意>
もしも間違った点があれば、空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂けると助かります。

 

1.新株発行の概要

小さな文字でたくさん書かれてありますが、
難しく考えずに読んでみましょう。

表に書いてある払込期日等が重要なポイントです。
2015/12/16にお金が入って、
40億円(仮)(50.8万株(仮)×7950円(仮))を第三者割当で
ファイザー製薬会社(Pfizer社の完全子会社)が出資するという内容です。

増資に関しては、ここさえ押さえてしまえば他は細かい内容です。
ただ、私は細かい人間ですので、細かい内容(注記)もチェックをします。
(仮が付いていたのは注記があるからです。)

1-1.注1)について (公募価格と公募株数について)

7950円と仮で書いているのは、
11/27(IRの2日前)の終値6360円に25%プレミアムを乗せた数字です。
この7950円というのは仮の目安的な数字です。

本決定の価格は、11/13~12/11の一か月間(20営業日)の終値平均に対して、
25%プレミアムを乗せた値段を取得価格(円単位以下は切り捨て)になるとのこと。

取得総額の約40億円(仮)は、11/27の為替レートで33MDを見込んだものです。
実際は33MDを12/11の為替レートで日本円に換算した金額が最終決定です。

上記で決まった株価と取得総額から発行株数が決定されるという流れです。
そういう意味では、ちょっと流動的に株価や発行株数が決定されます。

まあ、今の株価推移ではここを注目したからって倍になるとか
半分になるとかじゃない様子ですけどね。
本筋からは些細なものです。

そして、スケジュールとしては12/14の取締役会で判断、12/16に払込となっております。
何で払込が2日遅れるかというと、前の増資のIRにロックアップ期間に縛られているためと書いてあります。
下記は引用です。(新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ p.9 (そーせいHP)

(4)ロックアップについて
一般募集に関連して、当社株主である田村眞一は、みずほ証券株式会社に対し、発行価格等決
定日に始まり、一般募集の受渡期日から起算して 180 日目の日に終了する期間(以下「ロックア
ップ期間」という。)中、みずほ証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社
普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を合意しています。
また、当社はみずほ証券株式会社に対し、発行価格等決定日に始まり、一般募集の受渡期日か
ら起算して 90 日目の日に終了する期間中、みずほ証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利又は義務を有する有価証券の発行等(ただし、一般募集、本件第三者割当増資並びに株式分割による新株式発行、ストックオプションと
しての新株予約権の発行及び当該新株予約権の権利行使による当社普通株式の交付等を除く。)
を行わない旨を合意しています
なお、上記のいずれの場合においても、みずほ証券株式会社はロックアップ期間中であっても
その裁量で、当該合意の内容を一部もしくは全部につき解除できる権限を有しています。

そういうわけで、12/16に払込になったわけです。
色々と勉強になりますねー。

しかし、この12/11に価格決定ってナカナカ面白い期日に設定したなぁと思いました。
FOMC会合が12/16に予定されていて、ほぼ米国の利上げは確実視されています。

そのギリギリ利上げ前に為替を決定。
海外がメインであるそーせいにとって、円でたくさんもらう必要はあまりないです。
逆に円が安いとドルとしては同じ金額でたくさんの株を渡す必要が出ちゃいます。
それだったら、ちょっとは円が強い時に為替を固定しちゃうという意思じゃないでしょうか?

勝手な解釈ですし、実際は数日前なんてソコソコ織り込まれた状態でしょうけどね。

1-2.注2)について (資金調達額について)

1-1.で書いたように、為替の影響で33MDが日本円としては流動的ですよという意味です。

 

2.新株式発行の目的及び理由について

IR資料のp.2の部分ですが、ウキウキする内容ですが非常に重たいですね。
考えても進まないので、一つ一つ紐解いてみましょう。

2-1.最大10種のGPCRターゲット

Pfizer社の気分次第ですが、
複数の領域における最大 10 種の GPCR ターゲットに関する
新規医薬品の戦略的提携契約を結ぶということになっています。
⇒これは上手くいくと、一気に10社と提携したようなものです。

2-2.既に作製済みの StaR®タンパク質および構造情報

ヘプタレス社はこれから開発しますよ、という状況じゃなさそうです。
「既に作製済みの StaR®タンパク質および構造情報」と書いてありますので、
もう鍵の開け方を見つけちゃった状況というわけです。
鍵を作る作業を始める準備の問題なだけで。

この状況はこれまでの「一緒に始めましょ!」じゃなく、
「これに乗っかるの?乗っからないなら余所にお願いするけど。」
ということで非常に立場が強いんですよね。

ライバル社へ渡されるリスクを考えると、
Pfizer社位の資金力があれば、
自社開発次第ですが全部契約してもおかしくないですよね。

2-3.各ターゲット毎に最大 189 百万米ドルのマイルストン

今回は提携にも関わらず、マイルストンの金額が表示されてありますね。
しかし、まだ物質も出来ていないのに189MD(220億円以上)という巨額のマイル契約。
どういう領域なのかは不明ですが、ほとんど導出レベルの契約じゃないでしょうか?

念の為に言いますが、10のターゲットに対して総額じゃなく、
各ターゲットに対してですので誤解なく。

つまり、今回の契約による最大のマイルストンは、
189MD(220億円以上) × 10 = 1890MD (2200億円以上)

しかも、これだけでなく販売額に対してロイヤリティー収入もありますからね。
今のCOPD薬の収入を見てもらえば、
ロイヤリティーもどれほどのパワーがあるか理解できるでしょう。

1つだけでも十分に大きな契約なのに。。。という内容です。
正直、ストップ高が1回で終わったのは意外でした。
私もですが、凄すぎる情報ってスグに直視できないものですよね。

この契約で私はそーせいの保有数を減らさない努力をすることが
最良の手だと確信させられちゃいましたね。

さらに、一時金は上記の189MDとは別枠であり、
1つ1つの契約金は巨額とは言えなくても、
まとめると相当に大きな金額になりうる可能性があります。

2-4.出資を受ける理由

「Pfizer社との関係強化」とのこと。
当たり前ですが、ものすごいことですよこれは。

これだけで十分に時価総額が500億円位上がってもおかしくない話です。
契約だけでは心配(他への導出や買収など)だから、出資しちゃうわけですよね。

 

3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期について

3-1.調達する資金の額

ここでの新しい情報は、諸経費が600万円と書いてありますね。

3-2.調達する資金の具体的な使途

その全額をStaR®を活用した新規医薬品の研究に充当することを予定と書いてあります。
たぶんそうなるでしょうが、ここの予定は未定ですよね(笑)

ただ、「StaR®技術の応用によりGPCRの構造解析が進み・・・」と書いてありますが、
少しでも早く、少しでも難易度が高いGPCR構造へ、高い選択性を有する
構造解析が進む方向へ力を入れている最中なんでしょうね。

 

4.資金使途の合理性に関する考え方について

企業価値向上への合理性と書いてありますが、全くの同意です。
世界最大の製薬メーカーの後ろ盾。
個人比率が高く、安定株主にやや難がある状況を考えると、
これだけの条件を「何だよ。増資かよ。」と思うのは少数派かと思います。

 

5.発行条件等の合理性について

5-1.発行条件が合理的であると判断した根拠

ある地点での株価じゃなく、
一定期間の平均によるものが合理的なので
今回のやり方を採用したという内容。
⇒全くの合意です。

5-2.発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

今の議決権総数に対して最大で 3.12%の希薄化よりも
Pfizer社⇔ヘプタレス社との緊密な協力関係が出来る方が、
最終的な企業価値の増大に、既存株主への利益向上に繋がるよ、という内容。
⇒全くの同意です。これ以上ない条件じゃないかと思います。

 

 

6.割当予定先の選定理由等について

6-1.割当予定先の概要

特にしゃべることはないので、省略。

6-2.割当予定先を選定した理由

何でPfizer社じゃなく、日本本社なのか位がちょっと疑問だったのですが、
「そーせい⇔Pfizer社」よりも「そーせい⇔ファイザー製薬株式会社」の方が
コミュニケーションはしやすいでしょう。

ただ、ファイザー製薬株式会社が相手だと、
世界展開などになるとワンクッション、ツークッション話が遅くなるので
ちょっと面倒なこともあるかもしれません。

どちらを選んでも一長一短ですので、問題ない判断だったと思います。

6-3.割当予定先の保有方針

基本的には4年以上の売却をしない、
中長期保有方針との旨が書いてありますね。

みんなが欲しがっていた安定株主の誕生です。(パチパチ)

 

7.募集後の大株主及び持株比率ついて

筆頭株主にファイザー製薬株式会社。
きらりと光る名前が載りましたね。

しかし、田村社長が2%台っていうのは非常に不思議な気分です。
創業から働いている社長なのに。。。
この保有比率でベンチャーを回すのは相当な器量だろうなと思います。
私みたいなアホな株主が多いですからねー。

 

8.今後の見通しについて

「当期業績予想への影響はありません。」というのは
さらっと書いてありますけど、非常に大きな内容です。

先日書いたそーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル)
最後の「6.早期導出された際に支払われる一時金は?」で触れましたが、
この戦略的提携による収益で今期の予定売上を達成する可能性が十分にあります。

1つのターゲットに対して契約一時金が4億円程度としても、
その10倍の40億円程度になるかもしれません。
(さすがに短期で10ターゲット全部の契約がなされるとは思っていませんが。)

さらに、数個のターゲットであったり一時金が(2億円程度と)もっと少なくても、
A2Aの進捗状況次第で余裕の通期目標達成も十分に可能性が高いと思います。

 

9.企業行動規範上の手続きに関する事項について

希薄化にも支配株主にも大した影響ないから
独立第三者からの意見入手及び株主の意思確認手続きは必要なしとのこと。
そういうことがあるんですねー、ふむふむ。

 

10.最近 3 年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況について

いろいろ書いてありますが、
2014年3月11日の公募が目にとまっちゃいますね。

あれからもう2年近く経ったのかーと思うと、
そーせいの成長スピードがどれほどのものかが感慨深いです。
あと、ちょっと甘酸っぱい気持ちもありますが(笑)

あの時の増資は、今年の9月の増資や今回のものとはちょっと違いますからね。
多くの信者が娑婆に帰えられました。
それが幸か不幸かはまだまだ判断できない状況ですけどね。

 

11.発行要項 について

先に書いた内容以上でも以下でもありません。

 

12.私のあとがき

12-1.発行価格の予測について

今日(12/4)までの公募価格に影響がある終値を計算すると、
15営業日で6182円です。

今日の終値が8070円ですし、
残りの5営業日の平均は凄く控えめで7000円、
普通に考えれば8000円前後で推移すると思っています。

それらに対して、25%プレミアムが付く株価がどうなるかを計算すると、

控えめ予想の平均7000円の場合
((6182円 × 15日)+(7000円 × 5日)) ÷ 20 ×  = 7983円

平均8000円の場合
((6182円 × 15日)+(8000円 × 5日)) ÷ 20 ×  = 8296円

相当に控えめ予想ですら
最初に書かれていた予想株価以上の値段(希薄化は小さめ)になりそうですね。
よかった、よかった。

しかし、25%のプレミアムを乗せているということは、
それだけそーせい(ヘプタレス社)への評価が高いことですね。
別にPBRが低いわけじゃないですからね。

12-2.割当後の収益やIRについて

皆さんがまだかまだかと待っているQVMのIR。
現在は発行価格形成のためにIRが出せない可能性があります。
そのため、この割り当てが終わったらIRが出る可能性が考えられます。

可能性が高いのは、12/11の価格決定終了後(夕方)、
もしくは12/14の取締役会終了後(たぶん夕方)じゃないかと思います。

QVMは前に先走って予想した通り(QVM治験開始IRを前にして そーせい雑感)、
10MDよりは低く(たぶん3MD~5MD)、
今のそーせいにとって短期的にはそれほど大きな収益にはならないと思います。

しかし、業績予想外の収益ですから、
上方修正への可能性が芽生えてきます。
すでにCGRPが今期の予定外の契約ですからね。

そして、今回のPfizer社への提携が一気なのか
徐々なのかは不明ですが、
契約一時金が複数回入るでしょうからそれなりの金額になるでしょう。

そして、ひょっとすると
すでにA2Aが前臨床終了などの進捗も出ているかもしれませんし、
今年終了予定だったロラミックの第Ⅲ相が終了しているかもしれません。

物凄いサブマリン状態(笑)

(たぶん敷かれている)IR規制が終わった時、
一気に雪崩のように好IRが続出するかもと思うとウキウキです。

そういう意味では、25%のプレミアム株価も安すぎるかもしれません。

12-3.今回の折衝について

この契約の期間中にCGRPの導出が入っているわけですが、
この辺りは折衝上どういう影響があったのかが気になります。

もちろん事前に打ち合わせされていたんでしょうが、
こんなタイミングで株価上げるのズルい等の話がでてもおかしくない(笑)

しかし、ヘプタレス社側からしたら、
わざわざ規模の小さなそーせいを買収される相手として選んだのに、
スグにメガファーマに牛耳られるようなことになるのは嫌でしょう。

その辺の事情も3%前後の保有比率という数字でしょうね。
そうじゃなければ、その前の公募増資前にやれば資金面でも信用面でも
非常に有利にファイナンスができたはずです。

敢えてそれを選ばなかった理由はそういうことでしょう。

 

また、個人株主説明会での社長の発言の背景が
薄々わかってきましたね。

「公募増資はしない方針でございます」

当時は本当にしない方針だったんだと思いますよ。
この第三者割り当てのオファーもあった可能性が十分にありますから。
業績への影響はないとのことなので。

しかし、導出契約を含めて
様々な状況の変化の中で最適化されたのが
先日の公募増資になってしまったわけです。

Pfizer社の出資比率が高くなることを嫌がる子供の声を聞いたり、
M1の導出を最適化したり、
我々が想像もつかないような高度な折衝や経営判断の結果なんでしょうね。
そーせい社の皆様、本当にお疲れ様です。

とは言っても、先日の公募増資は下手くそは下手くそだったので、
そこは反省していただきたいのは変わっていませんけどね。
株主はわがままなんですよ。
そういう意味でも投資家なんて日陰であるべきですね。

2015年12月 5日 記述

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