最近のそーせい社というかヘプタレス社の進捗が著しいため、
全然追いかけられていないです。
本当はKymab社やDavid Chiswell氏のことも
Natureの記事にあったGLP-1及びグルカゴン受容体の解析等も
調べてまとめたいとは思っていたわけですが、
全然私の鈍間な理解では追いつけていないです。
ツイッターに有益な情報がでていましたので、
とりあえずはMシリーズの理解への一つとしてメモをしました。
Mシリーズに関してはそーせい 予定・予想スケジュール(草案3 M1・M4関係)、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル)、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年2月末変更版、
そーせいとムスカリン受動薬(M1&M4、デュアル) 2,016年4月導出後版がありますが、
直接的な関係はありません。
<注意>
もしもおかしな点があれば、ご連絡をお願いします。
(たぶん空回りしない投資へ(PC用?)のどこかの記事に
コメントを頂ける方が確実に反応できます。)
加えて、ぷに丸さんとやまださん、勝手に引用してすみませんでした。
1.M1作動薬の比較はアリセプト
2015年6月に出されたR&D資料を参照にしますと、
M1はAricept(アリセプト)を比較薬として書いてあり、
M1作動薬であるHTL9936は既存薬であるAriceptの改良版的な立ち位置で
開発されたものと説明されています。(動画で話していたような(仮))
じゃあ、アリセプトとはどういう薬なのか?を知らないと
昔売れた薬の改良品だから売れるよとは言えないので、
ちょっと調べてみましょう。
広告
2.アリセプト(ドネペジル)の作用機序
参考にしたサイトはこちら。
→アリセプト(ドネペジル)の作用機序:アルツハイマー型認知症治療薬(役に立つ薬の情報HP)
かなりかみ砕いて解説されているので、一読を推奨します。
(コリン仮説等)
この中で特にポイントになるのは、以下の文章かと。
略
ドネペジルは病気の症状を改善するわけではなく、あくまでも「病気の症状を遅らせる薬」になります。そのため、この薬を服用していたとしても、少しずつ認知症の症状が進行してしまいます。それでも、この薬によって多くの人が人間らしく生きることができるようになった事は確かです。
略
引用:アリセプト(ドネペジル)の作用機序:アルツハイマー型認知症治療薬(役に立つ薬の情報HP)
すでに知っている人は知っているとは思いますが、
改善させるわけじゃないのです。
これは薬の強さを考えるうえで、非常に大きなポイントです。
薬には必ずしも改善させるものとは限りません、
ターゲットの疾患に対して、
完治させる、改善させる、緩和させる、進行をおくらせる等があります。
そのため、この進行を遅らせるというのは
それよりも強いカード(改善させる等)が来ると、
かなり競争力が弱いものとなってしまいます。
3.アルツハイマー病治療剤のその他 (エーザイ社)
アルツハイマー病治療薬として有名なものとして、
エーザイ社と米バイオジェン・アイデック社が開発している
「BIIB037」(商品名「アデュカヌマブ」があります。
これは進行抑制ではなく、治療を狙ったものです。
参考リンクはこちら。
→エーザイ、認知症の”根治”は実現するのか(東洋経済)
これは待望の治療薬なので相当大きな期待が寄せられていました。
しかし、その治験結果は思わしくなく、
2015年7月に第Ⅰ相bで有意差が出なかったとありました。
→エーザイが急落、新薬の治験データに失望売り(会社四季報)
この結果からしますと、
アリセプトの改良品自体の意義は少なくないと考えられます。
ただし、アリセプトの特許はとうに切れているため、
既にジェネリックが出ています。
広告
4.ある臨床医の声
先日のツイッターにとある精神科のお医者さん(ぷに丸さん)が
有意義なコメント出されていました。
やまださんがそれをまとめてくださっていたので、
(勝手に)リンクさせていただきます。
→【メモ】(そーせい) 精神臨床従事者からみるMシリーズの存在意義(やまだ、いろんな収支)
ここで印象的なものは、
「従来薬への不満は、実は副作用の多さよりも効果が乏しいところ」、
「そーせいMシリーズの薬価が高くなるなら、「副作用が少ない」だけの薬なら、そこそこの売り上げにはなっても、とてつもない売り上げは期待できない」、
「効果が大差ないなら薬価が従来薬から使用して、副作用がでたら(大体三割くらい)そーせいMシリーズを使用する、という流れも多くなるだろう」の3つです。
副作用が大きく減ることは実は現行薬の最大のポイントではなく、
効果の弱さということですね。
進行抑制を目的としている薬であり、
記憶力という効果が見えにくい対象ですから、
効果への不満がポイントと言われれば納得です。
副作用が小さいことが最大のポイントではなく、
副作用が小さいから投与量を増やせて
効果を現行薬よりも大きくUPさせられるということが焦点になりそうですね。
また、新薬は高く売れるということが
必ずしも製薬メーカーにとってメリットだけではない(価格競争力が低下)ということは
言われれば当然ですが、ちょっと意外な視点でした。
しかし、最悪でも3割程度の患者さんには
現行薬でも副作用が出ていますので
販売までこぎつければ一定以上の販売を確保できそうというのは
期待できる意見じゃないかと思います。
簡単ですが、とりあえず今回はここまでです。
2016年 5月 10日 記述
広告