最近株価が乱高下しているので、
ちょっとテンションが上がりまして
久々にWPで書いてみることにしました。
2QはFC2のみでざっくりと書いていました。
営業収益等は大体想定内でしたが、
為替による影響が直撃で損益は予想できていませんでした。
今回はそこにもちょっとは注意して考えたいものです。
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A.ロイヤリティー以外の収入及び支出について
A-1. MiNA (Holdings) 社、Boehringer Ingelheim 社と 線維性肝疾患の新治療法の開発でライセンス契約を締結
(そーせい社HP) 2017.11.8発表
DLB(レビー小体型認知症)の日本開発ライセンス受領等の進捗はあったものの、
お金が発生しそうなものはなかったですね。
挙げたMiNA社の内容も現段階では株式比率が25.6%ですので、
直接的な収益ではないんですけどね。
それでも完全子会社化できるオプションを保有していますので、
無視できない内容として触れたいと思います。
A-1. MiNA (Holdings) 社、Boehringer Ingelheim 社と線維性肝疾患の新治療法の開発でライセンス契約を締結 について
弊社の持ち分法適用(連結対象)子会社である英 MiNA (Holdings) Limited(以下、「MiNA 社」)は、グローバルに展開する製薬企業である独ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)との間で、線維性肝疾患の新治療法の開発を目的とした、ライセンス契約を締結しましたのでお知らせいたします。
本契約により、MiNA 社は契約⼀時金や研究資金に加え、最大総額 307 百万ユーロの研究開発および承認申請に係るマイルストンを受領する予定です。
さらに、MiNA は、共同研究開発により開発された医薬品全ての販売⾼に応じて二桁パーセントのロイヤルティを受領する権利を有します。これ以上の詳細は非開示とさせていただきます。
当社は、中長期戦略の一環として、MiNa 社に 25.6%出資しています。以下略
(引用は上記リンク元 (A-1)より)
契約の内容は相当に大きなものです。
なんせ総額が307M€(400億円以上)ですからね。
このレベルの金額がみれるのはヘプタレス社以外には
非常に限られますね。
細かな情報は開示されていませんが、
総額からすると一時金等で契約時に数M€は発生していると思われます。
開発費用がどの程度かもわかりませんが、
前の契約で1億4000万ポンド(210億円)程度で買える権利は
かなり安くゲットできたことになりますね。
流石買い物上手な会社ですね。
今回の決算でこれが直接どうこうというのはないのでしょうが、
将来の買収による効果などもあるかと思い、
一応振り返ってみました。
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B.ロイヤリティーの収入について
ロイヤリティーに関しては、
いつものノルレボとCOPD薬(ウルティブロとシーブリ)です。
B-1.ノルレボ(あすか製薬から)のロイヤリティー
まずはノルレボから。
金額は大きくないので割愛します。
前と同じように23百万の金額とにザックリと。
前も書きましたがここに時間をかけるのに大きな意味はないので。
B-2.ウルティブロ&シーブリ(ノバルティスから)のロイヤリティー
次にウルティブロ&シーブリを。
これらはノバルティスの3Q(7月~9月)の売上から計算します。
(注意:ただし、ロイヤリティーの率が明確にならないように
若干ノイズがかかっていたような気がしますので。)
ウルティブロ&シーブリの売上は以下の通り。
「シーブリ®ブリーズヘラー®」および「ウルティブロ®ブリーズヘラー®」の 2017年第3四半期(7月〜9月)の業績について(そーせい社HP)
ウルティブロ ・・・ 1Qが101MD
シーブリ ・・・ 1Qが37MD
前回同様にロイ率を4.75%と仮定して、
今期のロイヤリティーを計算してみます。
すると、137MD × 0.0475 ≒ 6.5MDになります。
C.マイルとロイヤリティーから算出される決算の値
以上のことから、まずは売り上げを予測。
A-1は結局売上などには関係ないと判断していますので、
B-1とB-2のみで計算します。
ドル円を112円(12月末)と仮定しますと、
23百万円(B-1)+6MD(B-2)≒ 7.5億円
経費(研究開発費+販管費)は前の1Qで概ね21億円でした。
ただし、一応為替もざっくりと確認。
ドルが112円(2017年9月末)⇒ 112円(2017年12月末)
ポンドが150円(2017年9月末)⇒ 152円(2017年12月末)
ヘプタレス社関係の費用がちょっと増えてそうですね。
人員や提携の拡大もしていますし。
そうなると21億円ではなくてプラス2億円程度で計算します。
そのように仮定すると、
7.5億円<売上> - 23億円<経費> ≒ 15.5億円の赤字
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C.累計の予想
C-1.前Q(2Q)の結果から
2Qの結果と累計しますので、
先ずは前回の決算の数字を。
売上 53.1億円
営業利益 14.4億円
純利益 税引き前利益 -5.3億円
この決算は為替損が大きかったのが思い出ですね。
(金融費用)
当第2四半期連結累計期間において、1,810百万円の金融費用を計上しました。これは主に英国の連結子会社における外貨建資産を英ポンドへ評価替した際に発生した為替差損及び、Heptares社の旧株主に対して追加で支払う条件付対価の公正価値評価額の変動によるものです。なお将来に渡るHeptares社の旧株主に対する条件付対価の公正価値は決算期ごとに評価しています。2017年9月末時点では、総額220百万米ドルの条件付対価のうち、60.3百万米
ドルを支払っています。(四半期損益)
当第2四半期連結累計期間の四半期損益は、2016年のAllergan社からの契約一時金の受領、為替レートと条件付対価の公正価値変動額の変動により、前第2四半期連結累計期間に比べ11,090百万円減少し、498百万円の損失となりました。
ドルが108円(2016年4月7日)⇒ 112円(2017年9月末)
総額が220百万米ドルや60.3百万米ドルの支払いなどは大きいので、
予想するなら毎回ちゃんと想定しておくことは大事だなと
改めて思いました。
C-2.累計
以上のことから計算を。
売上 53.1億円(2Qまで) + 7.5億円(3Q) = 60.6億円(3Q累計)
営業利益 14.4億円(2Qまで) – 15.5億円(3Q) = -1.1億円(3Q累計)
純利益 税引き前利益
-5.3億円(2Qまで) – 14.5億円(3Q) 15.5億円(3Q) = -20.8億円(3Q累計) – 21.8億円(3Q累計)
以上の計算です。
このままでは営業収益がほぼトントン。
ひょっとすると経費はより多くて3億円ほど赤字かも。
年度でトントンを目指すとすると、
今から三月末までに少なくとも13MD程度の何かが欲しいですね。
業績予想はしていないものの、
一応年度 or 年間でトントンを目指すと公言されていたので、
為替差損はともかく営業収益の目処はあったはず。
導出品の遅れによって期ズレもありえますし、
その辺は今回の決算で触れられるか
隠し球を見せてもらえないだけか。
開発自体は概ね順調ですので
大きな問題じゃないですが気になりますね。
いい情報が出てくればいいですが、
先のA2Aが非常にエキサイティングでしたので、
その説明補足資料でもあれば嬉しいなと思ってます。
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D.決算発表後の追記
D-1.数字の確認
先ずは決算の数字と私の予測との差異を確認。
決算結果はこちら。
平成30年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (そーせい社HP)
私の売上予測から
売上予測 60.6億円(3Q累計)
営業利益予測 -1.1億円(3Q累計)
税引き前利益予測 - 21.8億円(3Q累計)
次に会社の決算の数字から
売上結果 62.7億円(3Q累計)
営業利益結果 -0.9億円(3Q累計)
税引き前利益結果 - 19.0億円(3Q累計)
私が考えていた数字よりも売上が大きく、
営業利益の予想は想定内、
税引き前利益が想定以上に高かった(赤字が少なかった)です。
注意)前に税引き前利益と純利益を書き間違えていましたので、
修正しています。
D-2.予測と実績との数字の差異について
以上のことから計算を。
D-2-1.売上について
売上の内訳にその他があり、
その数字が2Qで312百万円 ⇒ 3Qで441百万円になっています。
この1.3億円ほどの数字が私が全く気にしていなかったところで、
ここを補正すればほぼ予想通りです。
じゃあ、このお金は何だろうか?というと分かりません(笑)
ぼんやりと「研究開発援助金的なものじゃないか?」とか
「過去の提携による発生マイルじゃないか?」という考えはあっても、
確実なことは言えないからです。
そういうことなので、
私にはちょっと予測できない数字でしたので仕方ない。
D-2-2.営業収益について
予測よりも売上が1億円以上多かったのですが、
営業収益はほとんど予測通りでした。
つまり、経費が増えたんですね。
それも一応予測していた範囲内ですので気になるようなことはないです。
D-2-3.税引き前利益について
こちらは予測よりもかなり差がありました。
およそ3億円程度は赤字が抑えられてます。
じゃあ、何かな?と見ました。
金融収益 66 (2Q) ⇒ 90 (3Q)
金融費用 1810 (2Q) ⇒ 1700 (3Q)
持分法による投資損失 234 (2Q) ⇒ 195 (2Q)
これらを見ている感じだと、
持分法による投資損失が抑えられていますね。
大体各四半期で110~120百万円程度の損失だったのですが、
3Qでは反対に40百万円程度収益が出てますね。
つまり、1.5億円程度の収益が発生したようです。
これはMiNA社の提携の一時金と考えた方が自然でしょうね。
25%程度の支配率ですので、
1.5億円*4 ≒ 6億円(5MD~5M€)でしょうね。
初期の段階では良い契約だと思います。
これまでそんなにMiNA社の経費とか考えなかったのですが、
これだと完全子会社化にしても
経費の負担で苦しむ可能性は大きくなさそうですね。
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D-3.記載内容について
数字はそれほどびっくりすようなものじゃなかったですが、
楽しみだったのは進捗や計画ですね。
気になった点は主に2点でした。
D-3-1.自社開発品の予定
予定についてはこちらを引用。
自社独自のパイプラインに関して、2018年以降、当社は毎年平均して3品目の化合物
の臨床入りを目指しています。平成30年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結) p.2
↓
当社は2年間で自社創製の6つの化合物を臨床入りさせる予定です。
平成30年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) p.1
一応前回の報告通りなのかな?という感じです。
下手すると2017年に2つ⇒2018年に4つという可能性もありますけど。
ツイッターで話題になっていたのですが、
この2年間で6つのうちにDLBやMTL-CEBPAを含むのか?
全く新しい候補品で6つなのか?
これは今度のホワイトデーに聞きたい内容ですね。
D-3-2.今期の予想収支
予想収支についてはこちらを引用。
さらに、レビー小体型認知症(DLB)を対象とした日本における
HTL0018318の臨床試験開始に向けた準備を含め、
自社独自のパイプラインの拡大に向けた投資も継続して増加しています。
少額ではありますがマイルストン受領時期に関して当初の予測を見直したことに伴い、
平成30年3月期上半期の決算説明会にて発表いたしました
売上収益に関する見通しを若干修正しました。また、現金費用は微増します。
このことから、当平成30年3月期の(売上収益から現金費用を除く)現金収入は、
ブレイク・イーブンから7百万米ドルの損失の範囲の額となる見込みです。平成30年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) p.5
DLBの治験準備やパイプライン拡充で費用は増えるけど、
収益は±0~7MDの赤字程度で収まるよ、という内容です。
先にブログでも触れましたが、かなり熱いですね。
2018年3Q決算 そーせい(空回りしない投資へ)
今年度も残すところ1ヶ月半。
その間に少なくとも8MD前後の収入は出るよと予告ホームランです。
書いてある内容を考えると、
期ズレも含めてイーブンが苦しくなっている可能性を匂わしているので、
来期の1Qにも何かマイルが発生しそうですし。
このマイルが5MD以下の比較的小さいものが複数なのか?
10MD以上の大きなものが含まれているのか?
最大15MD程度発生するであろうマイルは期待しちゃいます。
来期の1Qに予定されているのはA2Aの拡大治験で、
これが上記の内容に含まれているかもしれませんね。
今期中のマイルについては
絶対にこれだろうというものが頭になく、
どれが来ても楽しみです。
2018年 2月 10日 記述
2018年 2月 14日 加筆&修正
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