そーせいとCOPD薬(その4 売上予想)

ウルシーの売上予測を行っていましたが、
よくよく考えると引用先の情報が古いために
混乱を呼び込んでいるのではないか?と反省しました。

前回のミノルタさんの予測は2014年春での予測でして、
色々な前提条件が現在とは大きく異なります。

私の不確かな記憶によると、
あの時はシーブリの米国申請が2014年秋にされる予定だったはずです。
そこからすったもんだで2015年の3月辺りまで遅くなりました。

その結果、予測は全体的に高めにされており、
今の株価が織り込んでいる予測と違うわけです。

んじゃ、今の予測はどうなってるの?という方へ
一つの例として参照サイトをご紹介します。

広告

1.売上予測サイト DRUG ANALYST

知っている人も少なくないでしょうが、
各種製剤の売上実績・予測の情報を開示しているサイトです。
英語のみっぽいですが、知りたい情報は数字なので、
英語が不得意の人も適当に触っているうちに必要な情報が取り出せると思います。

サイトはこちら DRUG ANALYST

サイトのタブにDRUGとありますので、
そのタブをクリックしたら、各病気名がでてきますので、
ウルシーであればAsthma / COPDをクリック。
その先に製剤一覧が出てきますので、
UltibroやSeebriを選んでいただければ実績・予測値が大雑把に確認できます。

他の特別なサイトをご利用している人もいるでしょうが、
そこそこ有名なサイトですので、
機関投資家はこちらの売上を一部参考にしている人も多いと思っています。
(たぶん、ミノルタさんも当時の予測はこちらを参照されたんでは?と思います)

ここの数字の確からしさ等は素人の私には判断不能ですが、
とりあえずこちらのサイトの数字がコンセンサスだろうと仮定して話を進めます。

2.2015年現在のウルシーの売上予測

現在のウルティブロやシーブリの売上予測は以下のページを参照します。

シーブリ ⇒ Novartis Seebri Breezhaler (glycopyrronium bromide) (DRUG ANALYST)

ウルティブロ ⇒ Novartis Ultibro Breezhaler (glycopyrronium bromide + indacaterol)(DRUG ANALYST)

○シーブリの売上予測について

シーブリの売上予測ですが、サイトを見て頂いてアレアレ?と思った人はいませんか?
具体的な数字はよくわかりませんが、
予測の平均値(黒い線)が2014年よりも結構低い位置にあります。
(ひょっとして100MD以下?)

売り出してそれほど間もないのに、
2015年(今年)に大幅に落ち込む算段になっています。

これは今年(2015年)からウルティブロが本格的に発売され始めるため、
合剤の片割れであるシーブリからウルティブロへ売上が移行すると予測されていたためか
3年目のジンクス(新製品に飛びつくのが落ち着く)的な理由です。
そのため、拡販のスピード以上に売上が落ち込むのでは?
と予想された結果がこういうことになっているわけですね。
(3年目のジンクス的なやつは他の薬でも発生している様子。本当かな?)

しかし、こちらの予測は今のところは外れていまして、
先日アップした記事(ウルティブロ・シーブリの売上予測(2015年3Q))に数字を載せていますが、
CC(為替要因を考慮した売上の伸び)は20%以上あり、
前年比で十分に高い数字で実績がでております。

つまり、シーブリはコンセンサスよりも高めで売り上げが推移している可能性が高いわけです。
(そーせい信者のコンセンサスは異常値なので、ここではおいておきます。)

私が予測したように2015年3Qで38MD付近の売上であれば、
ほぼ前年同等以上になりますので、
こちらの予測以上の売上になるわけですね。

ノバルティスの営業さんたちナイスです。

現在のところ、この予測を真に受けていた場合には、
2020年にやっとこさ500MDになればいいなぁといったところですね。
信者が考えているブロックバスターへの道は険しいと予測されます。

一方で、来年(2016年)の売上の伸びは非常に高く、
米国販売が開始された場合には急ピッチで2倍になると予測されており、
米国での販売拡大は凄いスピードの可能性を示唆されているのが楽しいですね。
来年(2016年)の売上上昇のピッチは面白くなりそうです。

<シーブリ ザックリ売上予測メモ 上記参照より>
予測売上
2015年 100MD?
2016年 292MD
2017年 300MD?
2018年 456MD
2019年 500MD?
2020年 569MD

○ウルティブロの売上予測について

こちらの予測もアレアレ?と思いませんでしたか?
2014年と比べて2~3割程度の増加が平均値になっています。

現在まで(2015年上半期)の売上の伸びは去年比3倍以上のペースで伸びています。
立ち上げとの比較ですから、通年で去年比3倍はちょっと難しいとは思いますが、
少なく考えても2倍にはなるでしょう。(240MD以上)

予測がコンセンサスであると仮定すると、
実際のウルティブロの売上増加のペースは異常であり、
どこかで株価が大幅に修正される可能性はあるかなと思います。
(何度も言いますが、そーせい信者の予測は青天井なので、今回は考慮しません。)

また、シーブリとウルティブロのどちらも予測値以上に売り上げていることは、
先々のウルティブロの売上上昇への期待が大きくまります。

現在の予測ピークが1000MD超ですので、
信者的には非常に不満ですが、
まあ現実は受け止めて、
進捗状況を確認しつつ自分たちの予測も修正していきましょう。

<ウルティブロ ザックリ売上予測メモ 上記参照より>
予測売上
2015年 140MD?
2016年 457MD
2017年 620MD?
2018年 783MD
2019年 900MD?
2020年 1050MD

広告

○ライバル薬の売上予測について

ウルティブロの他社のライバル薬として、
LAMA/LABAのデュアルは主に2つ予定されていて、
GSKのAnoro、AZNのPT-003があります。

○アノーロ GSK

1つ目のアノーロは単剤の治験をすっ飛ばして、
米国にウルティブロよりも早く販売にこぎつけており、
最大市場の米国では先行薬になります。

また、GSKといえば、メガブロックバスターである
アドエアを保有する呼吸器系に強い製薬会社です。
そのため、営業力も半端ないと予想できます。

さらに、呼吸器の評判がよく、
最も売れると思われていたLAMA/LABAの一つでした。

ただし、効能はデュアルであっても単剤のスピやシーブリ並との噂であり、
純粋に薬としての魅力があるか?と聞かれれば、
「微妙」だと思います。

そのためかはわかりませんが、アノーロの売上は現在イマイチです。
予測結果としてもそれを反映して、
2020年に1000MD以下になっております。
(参照 GlaxoSmithKline Anoro (GSK573719 + vilanterol) (DRUG ANALYST)

<アノーロ ザックリ売上予測メモ 上記参照より>
売上
2015年 70MD?
2016年 156MD
2017年 200MD?
2018年 409MD
2019年 500MD?
2020年 598MD

○PT-003 AZN

こいつは前々から知る人ぞ知るものだったわけですが、
正直言ってアノーロより脅威になる可能性があります。

詳しくは知りませんので不確かなことは言えませんが、
そのポテンシャルは小さくない可能性があります。
(参照 AstraZeneca PT-003 (glycopyrrolate + formoterol fumarate) (DRUG ANALYST)

また、アストラゼネカ(AZN)は他にEklira(LAMA)を既に上司済みであり、
これがシーブリの強いライバルでありますし、
このEkliraが急拡大していることは
その後のPT-003が上市すると急拡大できる下地があるというわけです。
(参照 AstraZeneca Eklira (aclidinium bromide) (DRUG ANALYST)

LAMA/LABAではGSKだけでなく、
AZNも非常に大きなライバルになっています。
そういうこともあって、昔に描いていたウルティブロ売上2000億円が
段々と不確かになっているということを
信者と言えども把握して心の準備をしておかなければなりません。

<PT-003 ザックリ売上予測メモ 上記参照サイトより>
売上
2015年 0MD?
2016年 48MD
2017年 100MD?
2018年 250MD
2019年 300MD?
2020年 459MD

<Eklira ザックリ売上予測メモ 上記参照サイトより>
売上
2015年 200MD?
2016年 343MD
2017年 330MD?
2018年 435MD
2019年 410MD?
2020年 465MD

最後に、COPDといえばスピリーバなんですが、
DRUG ANALYSTには載せてありません。
本当は一番知りたいライバル薬はスピリーバなんですけどね。。。

有料会員とかになれば見れるのかはしれませんが、
スピの動向がしれないのはなぁと思います。
どこかいいサイトありますかね?

以上、大幅修正の予測でした。

2015年10月18日 大幅修正

広告



以下、過去の記事。(主に2014年での予測などを中心に書いています。)

んじゃ、ウルティブロの売上ってどのぐらいのスピードで
どのぐらいのピークになるのか?という疑問について偏った意見を挙げます。

ここまでの背景を読んでいない人はこちらをどうぞ。
そーせいとCOPD薬(その1 COPDという病気)
そーせいとCOPD薬(その2 製薬業界の状況)
そーせいとCOPD薬(その3 そーせいの歴史)

この数字(ウルティブロ&シーブリ)については、
信者さんの中でも諸説ありますので、
あまり本気に受け取らないでください。

あくまで1例ですし、責任はとりません。

一応ここで挙げるのは、
全くのそーせい初心者の方への指標として使っていただけたらと思ってです。
一人でも個人投資家さんが増えるといいなと思っています。

では本題に。

1.ウルティブロとシーブリの売上高が順調と予想した例

薬の売上予想もライバル薬などによって大きく変動しますし、
そういうことで未来予想は簡単じゃないんですが、
過去にカリスマ投資家のミノルタさんが過去に予想されておりまして、
その引用を勝手にさせていただきます。すみません。

       年間売上(単位:ミリオンドル) 1ドル100円想定
シーブリ ウルティ
2013年   58    6
2014年   140   180
2015年   230   450
2016年   330   700
2017年   450   1000
2018年   680   1200
2019年   880   1400
2020年  1000   1500
2021年以降2025年まで同様とする

終値ザコ (ミノルタのPTS取引で一喜一憂より)

注釈ですが、この数字はミノルタさん的には高めの予想でして、
実際にシーブリもウルティブロも売上ペースがこれを下回っています。
また、当時は2014年でしたので、今の状況の修正はしていないのを考慮してください。

また、米国の販売開始時期が当時よりも遅れておりますので、
上記の数字よりも低く推移する可能性が高いです。

実際の売上(2015年 2Qまで 単位はミリオンドル(MD))は、
以下の通りです。

        シーブリ    ウルティブロ
2013年     58MD        6MD
2014年   146MD     118MD
2015年    75MD     118MD (半期分)

んー、少ないでしょうか?

ただ、ずっとそーせい株をホールドしている人達は
上記の数字のピークが1500億円ではなく、
2000億円以上を達成すると信じて疑わない人が多いことを配慮ください。

実際にはどうなるんでしょうね?
ノバルティスがずっと強気のレポートを書いてくれているので、
多くのそーせい株主はあまり心配していないとは思います。

多くのブロックバスターは最初から爆発的に売れるわけではなく、
一定以上の売上になってから急拡大するというのが噂です。

2.低く見積もったウルティブロとシーブリの売上高の例

ここまで言ってしまいますと期待を大きくし過ぎて
大きな落胆を呼んでしまっても仕方ないですので、
ミノルタさんがミニマムでこれぐらいじゃないかという数字も上げられていましたので、
それも貼り付けさせていただきます。

     年間売上(単位:ミリオンドル)
シーブリ ウルティ  オンブレス
2013年   58    6    192 実績値
2014年   140   120    220 以下予想値
2015年   200   300    230
2016年   270   450    240 シーブリ、ウルティ米国販売
2017年   350   600    250 オンブレスピーク値到達、シーブリ喘息適用
2018年   470   700    250
2019年   550   750    250 ウルティピーク値到達
2020年   625   750    250 シーブリピーク値到達
2021年以降2025年まで同様

見る前に飛べ (ミノルタのPTS取引で一喜一憂 より)

単剤では1000億を超えないという厳しい予想です。
これが本当になってしまうと、
正直離脱してしまう「そーせい信者」は多数じゃないかと思います。

そーせい信者にとって、COPD薬の売り上げ、
特にウルティブロの売上高は心の支えであり、
それが1000億ないし1000MDを超えない場合には
増資以上に心が折れてしまうと思います。

今のペースを考えると、
実際問題1000億円を超えないとも超えるともわかりません。
ギリアドみたいに(異常な)ペースなわけでもありませんからね(笑)

まあ、今月(10月)か来月(11月)辺りにも承認勧告を
貰えると(勝手に)思っていますので、
そこから更なる飛躍が出来ると期待しております。

まずは二剤で1000億円越えを来年に達成してくれたらと願望しております。

次はそーせいの収益について書いていけたらと思います。

2015年10月5日 分割&追記

投稿者: wpmaster

私はメーカー技術員として働いている30代のおっさんリーマンです。 やる気がないわけではないですが、サラリーマン生活に一生を捧げるほど燃えてはおらず、奥さんと子供のためにも最低限の稼ぎをと思って過ごしております。 投資歴は10年以上になりますが、資産は大したことありません。 のんびりと、しかし確実に資産を増やせるように投資能力を研鑚できればと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です