先のそーせいとCOPD薬(その1 COPDという病気)で
COPDという病気について説明しました。
ここでは、その病気への製薬面からの治療やビジネスについて説明します。
世界3位の死因が予想されている市場規模な上に、
今も完治させる方法がない病気でありますので、
世界で最もホットな製薬開発のテーマであります。
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1.COPD・喘息薬の市場規模や売上について
ただ、治療はできないものの、症状を緩和できる薬は発見されております。
有名な薬はベーリンガーインゲルハイムのスピリーバですね。
参照 SpiNet.jp
喘息と併用で使われているGSK社のアドエアやシムビコートもCOPD薬として使われています。
参照 サルメテロール キシナホ酸塩、フルチカゾン プロピオン酸エステル
ブデソニド、ホルモテロール フマル酸塩
これらの薬は売上高がもの凄いです。
スピリーバ:4500億円以上
アドエア:8000億円以上
シムビコート:3000億円以上
引用 ブロックバスターの動向(2013年度製品別ランキング) (株式会社メディサーチ)
喘息もCOPDも市場規模が巨大市場であり、
上記の3薬などはファーストインクラスの薬ですので、
売上が非常に大きいものとなっているわけです。
当レポートでは、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬の世界市場は
2014年に331億ドルに達すると推計しています。2014年から2018年にかけての
緩やかな市場成長の後、2018年以降2024年にかけて成長は加速すると見込まれます。
上記は喘息+COPDでしたが、COPD単独でも1兆数千億円(100億ドル)以上
ということがそーせいのレポートにも載っています。
引用 COPDの市場規模の引用元:そーせい 株主通信(2013年 P5)
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2.COPD薬の分類について
じゃあ、そのCOPD薬の種類はどういうものがあるの?ということですが、
現在は大きく3種類が適用されています。
2-1.LAMA(抗アセチルコリン薬)
アセチルコリンの働きを抑制することで、
副交感神経を抑制して、気管支収縮を抑制します。
⇒その結果、気管支の収縮が限定的になり、呼吸軌道が確保されます。
(薬の例: スピリーバ、シーブリなど)
2-2.LABA(β2刺激薬)
気管支にいるβ2という受容体を刺激し、
その結果交感神経が活発化することで、気管支の拡張を促します。
⇒その結果、気管支が拡張されて、呼吸器軌道が確保されます。
(薬の例:オンブレスなど)
2-3.ICS(吸引ステロイド薬)
気管の炎症を抑えるステロイドを適用する。
また、経口ステロイドに比べてはるかに副作用が少ないので
吸引ステロイドを使用している。
⇒その結果、気管の炎症が抑えられ、呼吸軌道の確保がされます。
上記の3種類が使われてはいますが、
スピリーバがCOPD薬のパイオニア的な存在と言われており、
COPDと診断された場合には、LAMAが最初に適用されることが多いとのことです。
そして、売れている多くの薬は利便性の良さから
1日1回の吸入で利用されるものが多いです。
(スピリーバもシーブリ(米国以外)も1日1回)
上記の3種類を挙げましたが
実際には単剤で使用される比率はそんなに多くないそうです。
なぜなら、COPDは知名度が低く、
初期の症状が風邪や体調不良などと区別がつかないこともあり、
診断されたときには中程度~重症の患者さんも多いためだのこと。
そのため、LAMA単独では呼吸機能が不十分であるため、
その他の機構を作用する薬との併用が多いようです。
上に挙げていたブロックバスターのアドエアやシムビコートも
LAMA+ICSの合剤とのことですから、
如何に複合薬が選ばれているかがわかるかと思います。
(ちなみに、アドエアなどはCOPD薬としての効能は
スピリーバやシーブリなどに比べて弱い。)
そういう状況もあり、
最近ではLAMA+ICS以外にも
LAMA+LABAやLAMA+LABA+ICS等の合剤が
上市・治験が進んでいます。
そして、対COPDとしては、今最もホットなのがLAMA+LABA薬であり、
この合剤がそーせいにとっての宝の1つとなっております。
その他の機構への薬もあるかもしれませんが、
アマチュアなのでこの程度しか知りませんので、
今後わかりましたら追記します。
2015年10月5日 分割&追記
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