先日のIRで
「2 型糖尿病の治療において、
GLP-1 受容体の活性化は高い有用性が確立された
最も重要な作用機序のひとつ」
という文言があったので、
ちょっと糖尿病について調べてみました。
GLP-1には間接的な調査になりますけどね。
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参考にしたのはこれらのサイトです。
【15年度国内医薬品売上高ランキング】「ハーボニー」発売7ヶ月で2693億円…伸び率トップは741%増の「オプジーボ」(Answer News)
1.糖尿病とは
血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c)値が
一定の基準を超えている状態をさす疾患
てっきり尿に糖が過剰に出ている疾患だと思い込んでいました。
名前が名前なので。
しかし、それは一部そういう症状が出るだけで、
血での確認が、しかも複数回の確認が必要な様子。
食後などの状態で糖の量は変化しますし、
その変化の動きも重要みたいですしね。
そういえば、昔に血糖値スパイクとか言って
テレビでアラームを鳴らしている番組を見ました。
血糖値などは自覚がないので大変。
2.主な病型の分類
1型⇒膵臓のβ細胞が壊れてしまい、
まったくインスリンが分泌されなくなってしまう
(若年で発症が多い。17歳以下の10万人に2人前後の発症率)
2型⇒遺伝的に糖尿病になりやすい人が、
肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病
(中高年で発症が多い。日本人の成人の10人に1人前後の発症率)
圧倒的に2型の患者数が多い。
3.各病型の治療
1型⇒インスリン注射
2型⇒食事・運動療法
場合によっては飲み薬とインスリン注射
飲み薬は思っていたよりも比率が高いなというのが
正直な感想です。
もっと注射がメインかと思っていました。
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4.薬の種類(飲み薬)
4-1.インスリンを出しやすくする薬
4-1-1.スルホニル尿素薬(SU薬)
膵臓に働いてインスリンの分泌を促す。
血糖値をよく下げる一方で、低血糖が起きたり、
体重が増えてしまうことがある
4-1-2.速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
SU薬と同じように、膵臓に働いてインスリンの分泌を促す。
その作用はごく短時間。毎食ごと、食事の直前に飲むことで、
食後の高血糖を抑える
4-1-3.DPP-4阻害薬
食後の高血糖のときにだけインスリン分泌を促す
「インクレチン」というホルモンがあり、
そのインクレチンが分解されるのを防いで効果を高め、
高血糖を改善する。
4-2.インスリンを効きやすくする薬
4-2ー1.ビグアナイド薬
肝臓でのブドウ糖を作る働きを抑えたり、
腸でのブドウ糖の吸収を抑えたり、
インスリン抵抗性を改善して、血糖値を下げる。
4-2ー2.チアゾリジン薬
インスリンはあるのに、その働きが悪いために血糖値が下がらない
「インスリン抵抗性」という状態を改善する。
副作用で、からだがむくむことがある。
4-3.糖の吸収や排泄(はいせつ)を調整する薬
4-3ー1.α-グルコシダーゼ阻害薬
炭水化物の消化吸収をやわらげて、食後の高血糖を抑える。
毎食ごと、食事の直前に飲みます。お薬を飲み始めてしばらくの間、
おなかの調子が乱れる
4-3ー2.SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬
尿細管から血液中へのブドウ糖の再取込みを妨げ、
尿の中に糖を出して血糖を下げる。
低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状などが副作用。
インスリン分泌と直接関係しないため、
単独の使用では低血糖の可能性は少ない。
その他にも配合薬等があるようです。
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5.薬の種類(注射薬)
当然飲み薬よりも強力。
直接的であるので、副作用もやや控えめ。
ただし、注射は大変。
5-1.GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬
5-1-1.使用頻度
一日一回注射の製剤
リラグルチド(ビクトーザ)、エキセナチド(バイエッタ)、
リキシセナチド(リキスミア)など
一週間に一回注射の製剤
エキセナチド持続性注射剤(ビデュリオン)、
デュラグルチド(トルリシティ)など
5-1-2.特徴
血糖が高い時にインスリンの分泌を促し、
グルカゴン濃度を低下させ、血糖値を下げる。
また、胃・腸管での食べ物の移動が遅くなり、
消化のスピードが遅くなる、食欲をおさえる作用などがある。
血糖値に応じて作用するため、膵臓のβ細胞への負担が少ない。
5-2.インスリン製剤
インスリン製剤は、インスリンそのものを外から補う注射薬
自身の膵臓から必要なインスリンを十分出せない方は、
インスリン製剤で外から補う必要があるため。
効能などがいろんな種類のものがある。
5-2-1.超速効型インスリン製剤
効果まで:注射してから10~20分と早い
作用持続:3~5時間と短い
5-2-2.速効型インスリン製剤
効果まで:注射してから30分~1時間
作用持続:5~8時間
5-2-3.中間型インスリン製剤
効果まで:注射してから30分~3時間
作用持続:18~24時間
5-2-4.持効型溶解インスリン製剤
効果まで:注射してから1~2時間
作用持続:ほぼ1日
5-2-5.混合型インスリン製剤
効果まで:超速効型/速効型インスリン製剤と、中間型インスリン製剤のそれぞれの作用時間
作用持続:超速効型または速効型インスリン製剤の作用時間と同じ
5-2-6.配合溶解インスリン製剤
効果まで:超速効型インスリン製剤と、持効型インスリン製剤のそれぞれの作用時間
作用持続:混合されている超速効型の作用時間と同じ
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6.糖尿病向け製薬売上(日本、15年)
ちょっと前ですが、
糖尿病向けの売り上げが高いものを拾ってみました。
番号は全体売上順位、カッコ内は糖尿病向けです。
8位(1位) ジャヌビア(DPP-4阻害薬、MSD) 771億円
27位(2位) エクア(DPP-4阻害薬、ノバルティス) 411億円
33位(3位) ネシーナ(DPP-4阻害薬、武田薬品工業) 369億円
35位(4位) トラゼンタ(DPP-4阻害薬、日本ベーリンガーインゲルハイム) 348億円
38位(5位) グラクティブ(DPP-4阻害薬、小野薬品工業) 314億円
83位(6位) インスリン(インスリン、日本イーライリリー) 172億円
86位(7位) テネリア(DPP-4阻害薬、第一三共) 169億円
96位(8位) メトグルコ(ビグアナイド系薬、大日本住友製薬) 147億円
157位(9位) ベイスン(αグルコシダーゼ阻害薬、武田薬品工業) 147億円
161位(10位) アクトス(チアゾリジン系薬、武田薬品工業) 85億円
175位(11位) スーグラ(SGLT-2阻害薬、アステラス製薬) 73億円
以上で目立っているのはDPP-4阻害薬ですね。
あと、GLP-1受容体作動薬が全然見られませんね。
経口薬はやっぱり使いやすく
注射薬は使いにくいから?
作用構造なども更に深く調べてみてから
色々と推測したいものですね。
とりあえずはここまでです。
2017年 6月 3日 記述
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