特に書くつもりはなかったのですが、
色々と話が出ていたので
一応自分なりに整理しようかと。
前に簡単にブログで書いていましたけど、
ちょっと雑でしたからね。
前期の大型契約の後で
見た目は非常に悪い結果でしたが、
調べていた人にはやや上方な結果。
ちょっとその理由を紐解いてみます。
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A.ロイヤリティー以外の収入及び支出について
A-1.子会社Heptares社、AstraZeneca社から12百万米ドルのマイルストンを受領
(そーせい社HP) 2017.4.5発表
A-2.MiNA (Holdings) 社に対する3,500万英ポンドの投資および 同社買収のオプション権を含む投資契約の締結について(そーせい社HP) 2017.5.3発表
A-3.子会社 Heptares 社、TEVA 社より 5 百万米ドルのマイルストン受領(そーせい社HP) 2017.5.18
他にもペプチドリーム社との戦略的提携とかありましたが、
大きな収入にも支出にもならないでしょうから
省きました。
以下を個別に。
A-1.子会社Heptares社、AstraZeneca社から12百万米ドルのマイルストンを受領について
当社は、子会社Heptares社(以下、「Heptares社」)がAstraZeneca社とのがん免疫療法領域での提携において、各種がんに対する新規候補治療薬であるAZD4635 (HTL-1071)の開発で重要なマイルストンを達成いたしましたので、お知らせいたします。この結果、Heptares社は本日、AstraZeneca社より12百万米ドルのマイルストンを受領することになります。
(引用は上記リンク元 (A-1)より)
臨床入りした後に入ってきた前臨床終了のマイル。
発生当初はちょっと混乱しました。
臨床入りが2016.7.6で、発生マイルが10MD。
がん免疫療法の新薬候補の第Ⅰ相臨床試験開始に伴い、 子会社 Heptares 社は AstraZeneca 社から 10 百万米ドルのマイルストンを受領 (そーせい社HP)
半年以上前に臨床入りしたのに
前臨床のマイルが発生しただけでなく、
その金額が多いということに。
最終的には前臨床マイルがあると書かれていたのに
なかなか出てこなかったことを思い出したので、
びっくりとスッキリが一気に来た不思議な感覚のIRでした。
A-2.MiNA (Holdings) 社に対する3,500万英ポンドの投資および
同社買収のオプション権を含む投資契約の締結について
一部略
契約の主な内容は以下になります
• そーせいはMiNA社買収のオプション権を含む投資契約を締結し、一時金3,500万英ポンド
をMiNA 社へ出資して25.6%の株式を取得• 進行肝がん治療用の新規小分子活性化RNA候補であるMiNA TherapeuticsのMTL-CEBPAに関
するフェーズI/Ⅱa臨床試験(OUTREACH)の結果によるマイルストン達成と関連した段階的な条件付対価体系• MiNAは引き続き独自の開発並びに小分子活性化RNA (saRNA)プラットフォームを強化、
多様な適応においてさらなる新規saRNA治療のパイプラインを築く以下略
(引用は上記リンク元 (A-2)より)
攻めてきたなーというのが受け取った時の感想ですが、
それほど意外ではなかったです。
MiNA社自体を当然知らなかったんですが、
そーせい社としての何かしらの企業買収は
そう遠くないタイミングで来るだろうと。
それが営業部隊を取り込むため、
基盤技術(GPCR関係など)の強化、
補完関係になるような独立した技術のため、
後期臨床入りに近づくパイプラインの刈り取り等など。
数年持っていますから、
いくつも妄想はしていまして
その1つというか2つを一気に手に入れた感じですね。
買収金額(3500万ポンド≒50億円)も今のそーせい社からすれば
十分に回せるレベル。
その後にオプションを行使して1億ポンド以上を払うかもしれませんが、
それはその時までに何かしらの目処がたっているということなんでしょうね。
とりあえずは買収費用だけで、
株式比率から連結にもならないので
治験の結果が出るまでは軽微な影響という感じですね。
買収費用も実質の経費的な面では
そんなに気にしないでも良さそうですね。
A-3.子会社 Heptares 社、TEVA 社より 5 百万米ドルのマイルストン受領について
当社子会社 Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス、以下、「Heptares 社」)は、本日、提携先 Teva Pharmaceutical Industries Ltd(以下、「TEVA 社」)が前臨床開発候補薬カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬を片頭痛の治験薬として選定し、前臨床試験を更に進める旨の通知を同社より受けました。
この低分子候補薬は、Heptares 社が TEVA 社と提携し、Heptares 社の構造ベースデザインを用いて、開発した薬剤です。2015 年、Heptares 社と TEVA 社はライセンス契約および研究開発契約を締結しており、これらの契約内容に基づき、同剤の選定によって、TEVA 社より Heptares 社は 5 百万米ドルを受領することになります。選択されたこの候補化合物は、TEVA 社の厳格な候補薬選定プロセスを通過したもので、研究段階にある他の低分子 CGRP 拮抗薬とは大きく異なる特徴を有しています。同薬は、反復性片頭痛および慢性片頭痛
に対する新規候補薬の創出に向けた提携関係において、初めてのマイルストンとなりました。以下略
(引用は上記リンク元 (A-3)より)
最初の計画からすると1年以上遅れていて
中々進捗情報を得られなかったCGRP薬。
やっと出てきたかと思ったら、
前臨床入りでマイルが発生するとのこと。
これもちょっとびっくりでした。
前臨床終了でマイル発生ならともかく、
前臨床開始でマイル発生とは。
大型契約だったとは思っていましたが、
こんな条件もありえるとは。
金額は多くはないといっても5MDですからね。
契約一時金もあったし、
改めて凄いなと感じます。
B.ロイヤリティーの収入について
ロイヤリティーに関しては、
いつものノルレボとCOPD薬(ウルティブロとシーブリ)です。
B-1.ノルレボ(あすか製薬から)のロイヤリティー
まずはノルレボから。
金額は大きくないので割愛します。
23百万の金額とにザックリと決めます。
ここに時間をかけるのに大きな意味はないので。
そういえば、大衆薬には中々なれないようですね。
大衆薬になれば相当にインパクトあるかもと思いますが、
難しいですよね。。。
B-2.ウルティブロ&シーブリ(ノバルティスから)のロイヤリティー
次にウルティブロ&シーブリを。
これらはノバルティスの1Q(1月~3月)の売上から
そーせいの1Q(4月~6月)へという流れという話だったので、
それを基に計算します。
(注意:ただし、ロイヤリティーの率が明確にならないように
若干ノイズがかかっていたような気がします。)
ウルティブロ&シーブリの売上は以下の通り。
「シーブリ®ブリーズヘラー®」および「ウルティブロ®ブリーズヘラー®」の 2017年第1四半期(1月〜3月)の業績について(そーせい社HP)
ウルティブロ ・・・ 1Qが91MD
シーブリ ・・・ 1Qが36MD
前回同様にロイ率を4.75%と仮定して、
今期のロイヤリティーを計算してみます。
すると、137MD × 0.0475 ≒ 6MDになります。
C.マイルとロイヤリティーから算出される決算の値
以上のことから、まずは売り上げを予測。
ドル円を112円(6月末)と仮定しますと、
12MD(A-1)+5MD(A-3)+23百万円(B-1)+6MD(B-2)
≒27億円
経費は色々とあるでしょうけど年間80億円、
各Qで20億円程度と今期も考えています。
プラス買収費用で1億円程度かなと。
そのように仮定すると、
26億円<売上> - 21億円<経費> ≒ 5億円の黒字
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C.決算を受けて
2017年8月10日に1Q決算が発表されました。
C-1.決算の概要の数字をみて
売上 27.8億円
営業利益 7.3億円
純利益 3.4億円
1株利益 20円
この結果を見たときは思ったより売上も利益も多いなという感じで、
やっぱり1~2億円ほど想定よりも高い結果に。
ウルシーのマイルはちょっと各Qでバラつく印象ですし、
このぐらいの誤差はありますけど、
後に書きますがマイル等の結果にずれが。
毎回ちゃんと想定しておくことは大事だなと
改めて思いました。
C-2.部分的に気になる点を確認
有報でもうちょっと細かい点を確認します。
C-2-1.経費について
研究開発費は1.7億円増えて11億円。
販管費は反対に2.3億円減って10.2億円。
研究開発の企業であるので、
研究開発費が増えたことは順調とも言えます。
効率的に使われると信じましょう。
販管費は前のアラガン費用が太かったので、
それの反動で減っただけなのかな?
C-2-2.収益について
マイルストンで20億円。
ロイヤリティで5.8億円。
その他1.8億円。
前期もそうでしたが、
その他って何?という感じです。
非公開の提携に関するマイル?
カンジダ関係?
なんでしょうね。
C-2-3.財務諸表などを見て
条件付き対価は着々と減っていますね。
MiNAの結果が出る頃には
ヘプタレス社関係の条件付き対価はほぼなくなるかも。
まあ、MiNA関係でまたそこそこ戻っちゃうわけですけどね。
負債は35億円程度増えて83億円。
小さくはないですけど、
一時期は今よりも小さい企業だったのに200億円だったので、
それに比べたら気にしてもなーという感じです。
今後どうなるんでしょうね。
2017年 8月 11日 記述
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