かなり前にCOPD薬関係の売上予想をしていたのですが、
それから二年ほど経ってみてからは
段々と実績が積み上がってきました。
前の予想していたものから、
実績による推測をできるようなったので修正をしてみます。
広告
未だに米国販売が開始されていないのですが、
ノバルティスが強い欧州での成績はかなり
落ち着いた伸びになってきているようです。
この辺りでそろそろこの薬のポテンシャルを整理したいですね。
過去の記事はこちら
そーせいとCOPD薬(その4 売上予想)
1.過去の予想数字(引用など)
前に書いていた予測はこちら。
<シーブリ ザックリ売上予測メモ(2015年)>
予測売上
2015年 100MD?
2016年 292MD
2017年 300MD?
2018年 456MD
2019年 500MD?
2020年 569MD
<ウルティブロ ザックリ売上予測メモ(2015年)>
予測売上
2015年 140MD?
2016年 457MD
2017年 620MD?
2018年 783MD
2019年 900MD?
2020年 1050MD
念のため説明しますが、
上記の数字は米国承認後に比較的すぐ売る前提で考えていたものです。
(2016年序盤にはスタートすると予想)
広告
2.実際の売上数字
◇なかなか思い通りにはならない
先の前提とは現在大きく違う状況で、
実際には米国での販売開始は2017年4月以降になりそうです。
(大日本住友製薬の2017年3月度3Qの決算説明会の質問より参照)
もちろん悪いことばかりではなく、
2剤配合薬GOLDでの推奨をもらったりもありますけどね。
ただ、販売先を日本ではMeiji Seikaファルマと
米国ではSunovion Pharmaceuticals Inc.(大日本住友製薬の子会社)と
英国ではファイザー社へ販売のライセンスアウト等を行っており、
自社販売での比率が非常に低い状況になっています。
<シーブリ 売上実績(2016年まで)>
売上
2013年 58MD
2014年 146MD
2015年 150MD
2016年 148MD
<ウルティブロ 売上実績(2016年まで)>
売上
2013年 6MD
2014年 118MD
2015年 236MD
2016年 363MD
COPDの世界シェア4割近い米国市場が
未だに販売開始されていないことは大きいですが、
それにしても伸びるスピードが遅い印象です。
特にシーブリが伸びていないですし、
直近のウルティブロの売上の伸びも
2016年3Q(95MD)⇒2016年4Q(90MD)と冴えません。
さすがにこれらの状況を鑑みると、
過去に予想していた数字から大きく修正するべきかな?
と思わざるを得ないかと思いました。
広告
3.売上予測(修正版)
◇米国販売の期待度
導出先である大日本住友製薬が
先日行った2017年3月度3Qの決算説明会で質問に答えていました。
(下記はざっくりまとめたもの)
Q:導入3剤(ウルティボン、シーブリ、オンブレス)の売上期待は?
A:sun-101(大日本住友製薬が持つ開発品)がピーク500MDを期待しており、
導入3剤はそれ以下の100MD~500MD辺りを予想している。
上記の内容を考えると、
GOLDの影響を考慮しても過度な期待は禁物のようです。
ちょっと前まではメガブロックバスターだ!
と私は息巻いていましたが、
冷静に考えるとブロックバスターになれるかも
ちょっと心配になるレベルだと思い始めました。
ひねらずに考えると、
自社で販売してもそれほど拡大できないから、
日本、米国、英国という市場規模が大きな地域で
自社単独の販売を諦めたんだろうなとも考えられます。
利幅が小さくてもいいから
各地区で比較的営業力が高い相手に
確実に売ってもらうほうが会社的には利益がたつと。
こういう状況を踏まえて、
自分なりに予測を修正したものが下記です。
<シーブリ 売上実績(2017年~2020年)>
売上
2017年 165MD
2018年 180MD
2019年 180MD
2020年 180MD
<ウルティブロ 売上実績(2017年~2020年)>
売上
2017年 420MD
2018年 510MD
2019年 530MD
2020年 550MD
先にも述べましたが、
現在の売上の推移をみていると、
米国以外ではピークからそう遠くない可能性が高いと判断してです。
ウルティブロは2016年は
各Qをほぼ90MD~100MDで推移していたため、
2017年以降も米国以外では各100MD程度になるのかな?と考えました。
米国は2017年夏に販売開始で25MD、
2018年以降に200MDを目指してじっくりと増えていくイメージかと。
Sunovion社だって自社品を売りたいですから後回しになりますからね。
導入品と比べれば大きく利幅が違うでしょうし。
この数字を目の当たりにすると、
販売マイルへの不安が大きくなってきます。。。
前に考えていた数字からすると、
半分以下になっているわけですね。
両剤を合わせてもブロックバスター(1000MD)にはならない。
そうなると、販売マイルへの心配が。。。
もちろん、上記の予想は比較的保守的でしょうし、
そーせい社が前に行っていたように診断率の上昇、
更にGOLDの影響などでもっと大きくなる可能性はあるかもしれません。
(参照:個人投資家説明会(そーせい社 2015年)のp.42)
ポジティブに予想するも
ネガティブに予想するも各々の勝手なので、
これを鵜呑みにしないでくださいね。
2017年1月31日 記載
広告