今回の業績はあの大型導出があったため、
数字的には過去の利益は確定しています。
数字的にはかなりいいのは分かっているものの、
かなりいいことがわかっているからこそ
過剰な期待にならないようにちょっと数字を計算しておくべきかなと思って書いてみました。
まずは、第1Qに発生した出来事を羅列したいのですが、
色々とありすぎて書くのは控えておきます。
といわけで、収入が発生したものだけを。
ロイヤリティーが発生する内容は一度置いておきます。
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A.ロイヤリティー以外の収入及び支出について
A-1.子会社 Heptares 社と Allergan 社、アルツハイマー病等の中枢神経系疾患に対する 新規治療薬の開発・販売提携を発表 (そーせい社HP) 2016.4.7発表
A-2.がん免疫療法の新薬候補の第Ⅰ相臨床試験開始に伴い、 子会社 Heptares 社は AstraZeneca 社から 10 百万米ドルのマイルストンを受領(そーせいHP) 2016.7.6発表
CVCの設立等もありましたが、
ほとんどお金が発生していないと思いますので省きます。
というわけで、確実なものを一つ一つをひも解いてみましょう。
A-1.子会社 Heptares 社と Allergan 社、アルツハイマー病等の中枢神経系疾患に対する 新規治療薬の開発・販売提携を発表 について
上記、略
本提携により、Heptares 社は 125 百万米ドル(約 137 億円*)の契約一時金、さらに最初の 3 つの化合物の開発の進捗や上市に応じて最大約 665 百万米ドル(約 730 億円*)の開発マイルストン、販売目標の達成に応じて最大約 2,500 百万米ドル(約 2,743 億円*)の販売マイルストンを受領することになります。また、Heptares 社はすべての化合物について、売上高に応じた最大二桁の段階的ロイヤリティを受領できることになります。
下記、略
(引用は上記リンク元 (A-1)より)
日本円で金額が書いてあっていいですね。
ただ、そーせい社は為替ヘッジをしていないと話が出ていましたので
あくまでドルベースで。
125百万米ドル。
このIRが出たときに空回りの方で書いた記事はこちら。
⇒Alleganとの開発・販売提携 そーせい
噂によると
この金額は世界でも史上2番目の規模の契約とか。
それだけのお金を引っ張れた技術力・交渉力がヘプタレス社とそーせい社の力ですね。
A-2.がん免疫療法の新薬候補の第Ⅰ相臨床試験開始に伴い、 子会社 Heptares 社は AstraZeneca 社から 10 百万米ドルのマイルストンを受領について
一部略
本日、当社子会社 Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス、以下、
「Heptares」)は、がん免疫療法の候補薬である HTL1071(AZD4635)が、第 I 相臨床試験におい
て最初の被験者に投与されたことを提携先である AstraZeneca 社より報告を受けたと発表しま
した。これにより、Heptares 社は提携先である AstraZeneca 社より 10 百万米ドルを受領するこ
とになります。以下略
(引用は上記リンク元 (A-2)より)
この発表が7月だったわけで、
時期的に第2Qになると思っていたのですが、
どこぞの風の噂では1Qに入るとか。
前臨床終了によるマイルのIRも未だになく、
それらも含めて1Qに入っているような入っていないような微妙な感じですのでメモを。
B.ロイヤリティーの収入について
ロイヤリティーに関しては、
いつものノルレボとCOPD薬(ウルティブロとシーブリ)です。
B-1.ノルレボ(あすか製薬から)のロイヤリティー
まずはノルレボから。
あすか製薬の短信を見ると、
2016年度4Q単体では9.1億円-7.2億円 = 1.9億円、
2015年度4Q単体では8.5億円-6.4億円 = 2.1億円です。
参考1:通期 決算短信 2016年度 (あすか製薬HP)
参考2:通期 決算短信 2015年度 (あすか製薬HP)
参考3:第3Q 決算短信 2016年度 (あすか製薬HP)
参考4:第3Q 決算短信 2015年度 (あすか製薬HP)
あすか製薬の売上発生とそーせいロイヤリティとの関係性ははっきりと自信ないのですが、
1Q分期ズレすると仮定にすると、前回の1Qは25百万円の90%分になると予想します。
以上から、25百万円(前年そーせい1Qの国内収益)×90% = 22.5百万円のロイヤリティー
になると予想します。
正直、この数字をみると
もう考えなくてもいいかもしれませんね。
そーせい社はそれだけの規模になっちゃいました。
B-2.ウルティブロ&シーブリ(ノバルティスから)のロイヤリティー
次にウルティブロ&シーブリを。
これらはノバルティスの1Q(1月~3月)の売上から
そーせいの1Q(4月~6月)へという流れという話だったので、
それを基に計算します。
(注意:ただし、ロイヤリティーの率が明確にならないように
若干ノイズがかかっていたような気がします。)
ウルティブロ&シーブリの売上は、前にまとめたこちらを参照ください。
参考:ウルティブロ・シーブリの売上予測(2016年1Q)
ウルティブロ ・・・ 1Qが78MD
シーブリ ・・・ 1Qが35MD
前回同様にロイ率を4.75%と仮定して、
今期のロイヤリティーを計算してみます。
すると、113MD × 0.0475 ≒ 5.4MDになります。
C.マイルとロイヤリティーから算出される決算の値
以上のことから、まずは売り上げを予測。
ドル円を103円(6月末)と仮定しますと、
125米百万ドル(A-1)+22.5百万円(B-1)+5.4米百万ドル(B-2)
≒134.5億円
そこから、研究開発費+販管費を引くのですが、
前は年間60億円の固定だったのが変わってしまいました。
80億円でしたっけ?ちょっと引用先を探してみます。
そのように仮定すると、四半期分の20億円で計算されますから、
134.5億円<売上> - 20億円<経費> ≒ 114.5億円の黒字
一応、A2Aの進捗を入れない場合の計算です。
これに対して、A2Aの進捗による収入が第1Qでどれだけ入るか?
全く入らない?
前臨床による収入は?
また、買収時の特記事項にA2Aの進捗による支払いが
どれだけ入っているか?
A2Aに関しては色々と確認できていないので、
それら次第で10億円以上の金額がぶれてしまいます。
そういうわけなので、今回は最低限の売上を示しただけで、
売り上げにはアッパーが考えられますし、
利益に関しては上にも下にも予想できます。
確実に言えることは、
四半期で100億円以上の利益を出しちゃったということですかね(笑)
Mシリーズの支払いは済んでいるので
これだけの数字が出ちゃうわけです。
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C.決算を受けて
2016年8月10日に1Q決算が発表されました。
色々と感じたことはあるとは思いますが、
とりあえず振り返ってみます。
平成29年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
C-1.決算の概要の数字をみて
売上 150億円
営業利益 129.5億円
純利益 59.1億円
1株利益 775円
これらの数字を見ての最初の感想は以下の通りです。
売上が考えていたものと比較してもちょっと多いです。
135億円で予想していましたし、
A2Aのお金を考慮しても145億円程度と考えていましたから。
経費は予想の範囲ないの20億円程度。
ただし、A2Aの臨床入りを含めてなので、
旧株主への支払いが発生していれば
実際の経費はもうちょっと少ないのかもしれません。
売上が予想よりも多く、
経費が予想のどおりだったので、
思ったよりも利益の数字がいいねーと納得。
C-2.部分的に気になる点を確認
有報でもうちょっと細かい点を確認します。
C-2-1.経費について
研究開発費と販管費がそれぞれ増えてますね。
50百万円と500百万円。
ヘプタレス社もJITSUBO社も開発をどんどん進めて採用を増やしていますので、
これらはある程度予想の範囲内。
合計が21億円となっていますが、
会社が言っていた通りで想定の範囲内の数字でした。
C-2-2.収益について
国内医療事業の売上は35百万円と書いてありました。(有報 p.5)
私の予想は残念ながらかなりズレていますね。(22.5百万円)
国内医療事業の売上は15046百万円と書いてあります。(有報 p.5)
ここではアラガン社の導出のみ触れてありますね。
ただし、p.7の当連結会計年度の主な進捗にA2Aの臨床入りが書いてあります。
そのため、先日受け取ったマイルストン10MDは今回の決算で組み込まれたものと考えられます。
ただ、旧株主への支払い云々の言葉がみつからないので、ここからは支払い対象外なんですかね?
売り上げが150億円の理由は
あと、前臨床終了のマイルが5MDもらえたのか?
それともその他の提携が進捗して5MDもらえたのか?
ぐらいしか私には想像しかできません。
C-2-3.財務諸表などを見て
のれんが年度末から14億円減って、無形資産も27億円減っています。
条件付き対価が45億円も減ってます。
ん??
Mシリーズは前年度で支払ったんじゃなかったんでしたっけ?
A2Aで考えても違和感が大きいし。
支払い自体は当期だったのかな?
ちょっと確認しようかなと思います。
負債の合計は案外同じなんですね。
営業債務及びそのほかの債務が45億円増えていて、
条件付き対価の分がスライドしたっぽいですね。
話題に出ていた為替差益。
金融収益が761百万円となっています。
ヘプタレス社が英国企業だからポンド円が
160円(3月末)⇒138円(6月末)となったからっぽいです。
そーせい社は基本的にドルで資産を保有していると思いますが、
その他の包括利益のところで52億円弱のマイナスがありますから、
これらの会計的な区分けのところなんでしょうかね。
もうちょっとゴニョゴニョ書きたかったのですが、
ちょっと都合でここらで終わりに。
2016年 8月 5日 記述
2016年 8月 11日 記載
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