近々で株価へ影響を及ぼす確率が高いノバルティスの3Q決算。
再来週の2015年10月27日(火)ですね。
(本日(10/27)結果が出ましたので追記)
色んな予測が出てくると思いますが、
私なりの考察を念のために書き残してみます。
過去に何度かウルシー(ウルティブロ&シーブリ)の予測をしてきましたが、
近々の予測が最も本気度が高かったので、
それを参照&改善をして予測をしてみます。
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1.過去の振り返りから
まずは振り返るために、前回の予測の根拠なりを知りたければ
こちら(↓)を参照ください。
根拠なくウルシー予想 そーせい (空回りしない投資へ(PC用?))
このときは、前Qを基準にして予測をしていました。
その結果、予測と実際の数値の差はこちら(↓)。
ノバの決算 そーせい (空回りしない投資へ(PC用?))
それなりの予測ではありましたが、
シーブリの数値がやや精度が欠けていたなぁと思います。
そこで、今回は基準を前Qではなく、前年同期比で考えたいと思います。
前年同期比にした理由は、
基本的にこの呼吸器関係の症例は冬期に顕在化する可能性が高く、
季節の影響力が大きいためです。
まずは前回までのデータを。(ただし、黄色は予測)
予測の数値(黄色)は置いといて、
この黄色の数字を計算した理由を次に説明します。
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2.予測をした根拠
説明のために次はCC(為替要因を除いた売上の伸び)を示します。
まずはウルティブロの売上の伸びについて
ウルティブロはシーブリよりも一年遅く発売されたため、
売上の伸びの比較としては良い比較対象だと思います。
比較してみると、前Qのウルティブロの売上の伸びは
去年の同時期のシーブリよりも高いため、
少なくとも140%以上の売上の伸びは期待できるでしょう。
私としては、シーブリの伸びの10%増位で仮定して、
154%UP程度になるのではないかと予想しました。
次にシーブリの売上の伸びについて
シーブリは前Qで24%UPとなっていますが、
近々の売上の伸びは大幅に落ち込んでいることもあり、
15%UP程度で予想しました。
これで終わりたいのですが、
ウルシーの販売の大半はユーロ圏です。
一方で決算の数字は米ドルで発表されますので、
ユーロドルの修正を掛ける必要があります。
ユーロドルの為替はこちら。
以上の数字を基にして、2剤の予測は以下の通りに。
(ウルティブロ) 31MD(去年3Q) × 254% (予測CCより) × (1.12 / 1.26)(ユーロドルの前年比) ≒ 70MD
(シーブリ) 37MD(去年3Q) × 115% (予測CCより) × (1.12 / 1.26)(ユーロドルの前年比) ≒ 38MD
この数字が合っていようが間違っていようが、
実は大きな問題ではありません。
なぜなら多少ずれていても株価的にはサプライズにならないでしょうから。
しかし、今後のそーせいの屋台骨を支えるCOPD薬関係の売上が
予想通り or 予想以下 or 予想以上のどの動きをするかによって、
投資判断を修正する必要がありますので、
予測自体は非常に重要だと思います。
予測などについて変だ等のアドバイスがございましたら、
教えていただくと今後の役に立ちますので
ご教授をお願いいたします。
3.ノバルティスの3Q発表を受けて
本日発表されたノバルティスの3Qがありましたので、
追記しました。
ノバルティスの発表結果はこちら。
1.2015 Q3 results – Tuesday, October 27, 2015 Media release (Novartis HP)
2.Third Quarter 2015 Results (Novartis HP)
1.2015 Q3 results – Tuesday, October 27, 2015 Media release (Novartis HP)
まず、1のp.12にシーブリ&ウルティブロ(&オンブレス)の売上が書いてあります。
シーブリ ・・・ 38MD cc 23%UP 80カ国以上で販売
ウルティブロ ・・・ 66MD cc 156%up 40カ国以上で販売
(オンブレス ・・・ 38MD cc 17%down 100カ国以上で販売)
また、p.75にPrincipal currency translation ratesが載っています。
1EUR ・・・ 1.112(2015年)、1.326(2014年)
前年比で16%以上下がっていますね。
私が先に予測した結果との照合は以下の通りです。
米ドル換算 ・・・ シーブリはピタリ賞、ウルティブロはやや低い。
cc(為替要因除く増減) ・・・ シーブリは予想以上、ウルティブロはほぼ予想通り。
以上のことを振り返ってみると、大体は想定の範囲内でしたので、
予想の方法自体は間違っていないかったと思います。
ccはほぼ問題なかったわけですから。(シーブリはうれしい誤算)
ただ、為替の読みがちょっと甘かったようです。
もうちょっと要因を解析する必要があるかもしれませんが、
ユーロ圏以外の範囲が大きかったのかもしれません。
ユーロ圏以外(特に新興国)でも対米ドルで通貨安ですので、
この辺をもっと考慮すべきなのかなと反省です。
逆に言えば、ユーロ以外の通貨圏で
どんどん販売が進んでいるということですし、
非常に順調かなと思います。
あと、p.30にQVM149についても記載されていますね。
First planned submissions ・・・ 2018年
News update ・・・ - Phase III trials planned to start in 2015
今年中に第Ⅲ相スタートですね。
2.Third Quarter 2015 Results (Novartis HP)
p.37に2015年にFDAからアクションがあると予定しています。
たぶんそろそろ勧告が。。。
p.38にInnovation drive yields multiple key milestones over the next yearという枠で
ウルティブロについて触れられています。
ただし、前Qまでのプレゼンテーションには
1枚分の枠がウルティブロにありましたので、
ちょっと押し方が弱くなった印象はありますね。
Media releaseにあったように、
p.43にQVM149が2018年予定に入っていますね。
同ページで気になるのは、2018年以降に
Asthma(喘息)関係の薬が複数予定されていることです。
これは社内ライバルが増えてデメリットが大きいのか?
逆に営業力が強くなってメリットが大きいのか?
今の時点では良くわかりませんね。
以上、ノバの決算からわかったことです。
私見では順調ですね。
あと、今回のそーせいさんのIRは早かったですね。
ノバルティス発表からすぐの15:30位じゃなかったんですか?
リンクはこちら→「シーブリ®ブリーズヘラー®」および「ウルティブロ®ブリーズヘラー®」の 2015年第3四半期(7月〜9月)の業績について(そーせいHP)
IR活動を積極的にやっていただいているなぁと改めて思います。
QVM149について触れていてもよかったのではないかと思いましたが、
予定は予定で発表済みですから別にいいかもなとも思います。
これからそーせいの決算やらウルティブロ&シーブリの承認勧告など
立て続けにイベントが発生しそうですね。
2015年10月17日 記述
2015年10月27日 追記
2015年10月28日 再追記
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